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仏教レボリューション!? 夜の繁華街に響く、坊さんの読経

20071002_bukkyorevo.jpgこんな至近距離で読経を聞けるなんて、思わず成仏しちゃいそう!?
<サイゾー10月号より>

 この写真を見た読者からは、「誰か、有名人の法事なの?」なんて声が聞こえてきそうだが、正解はライブハウスでのステージの模様。都内新小岩にあるサウンドミュージックバー「チッピー」では、02年から月に一度“ライブ”を行っている。お坊さんの読経というと辛気臭い印象があるが、ライブでは一般の人が親しめるよう、派手めな選曲となっている。20人入れば満席となるバーの客たちはグラスを片手に、しばし瞑想を楽しむ。

「声明の多くはサンスクリット語なので、意味はわからなくていいんです。単純に音の響きを楽しんでもらえれば結構。民謡や演歌といった芸能の源流でもあるんです。亡くなった方を供養するための経だけでなく、お祝いのための晴れやかな経もあるんですよ」

 鍛え抜かれた渋い喉で、そう説明するのは、地元江戸川区にある、真言宗豊山派・不動「密蔵院」の住職である名取さん。若い頃、NYのカーネギーホールなど海外で声明公演を成功させてきたが、国内では檀家以外の人に披露する場がないことから、行きつけの「チッピー」でライブを始めた。名取さんと一緒にステージを務めるのは、同じ宗派の若手住職・増田さん(千葉県・延命山円東寺)と市橋さん(神奈川県・光明山西光寺)。ともに芸達者で、巧みなMCぶりも見せる。

「私たちが袈裟を着たまま出演していることに対して、同業者から小言を言われたりしますね。でも、仏教に関心のない人たちに、坊さんを身近に感じてほしいんです。これからの仏教は、寺にこもってちゃダメなんです」

 かつて寺院は地域社会の精神的拠点だったが、現在では葬式や法事でしか、一般の人は接点がない。そのことを名取さんらは憂いている。

「今のお寺の多くは世襲3代目で、親の財産として受け継いでいるのが実情。でもですよ、全国にお寺は約8万もあり、その数はコンビニよりも多いわけです。坊さんの数は陸上自衛隊を上回る、約17万人にもなるんです。それだけのお寺や坊さんが今の世相に合った活動をすれば、日本はもっと楽しい社会になるはず。まぁ、それが難しいことはわかっているので、とりあえず自分のできることからやっているわけです」

 一晩3回のライブの合間には、酔客たちと交流を図る。大きなホールでは客との距離が開くので、和める今のキャパがちょうどいいらしい。しかし、いくら勧められても、お酒とご祝儀は丁重に断るそうだ。
(長野辰次)

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最終更新:2008/06/09 18:39
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