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“ひこにゃん”彦根市vs作者闘争で大ピンチだにゃん!(前編)

20071121_hikonyan.jpgこれがひこにゃんだ!
国宝・彦根城築城400年祭HPより

 「ひこにゃん」をご存知だろうか? 滋賀県の「国宝・彦根城築城400年祭」のマスコットキャラクターなのだが、そのゆる~いデザインが全国区で大ヒット! 観光客に親しまれるだけではなく、都内のゲーセンのクレーンゲームにも登場したほか、滋賀からの上京イベントでは、長蛇の列ができるほどの人気ぶり。そのひこにゃんが、今、なんと法廷沙汰に巻き込まれている。


 ひこにゃんの原作者である「もへろん」こと櫻井瑛氏は、11月6日に彦根市に対してひこにゃんの使用制限を求める調停申立書を彦根簡裁に提出した。これを受けて11月19日に調停が開かれたが、もへろん氏と彦根市の意見は完全に対立。デザインを公募したイベント会社「ジェイコム」から一切の権利を100万円で買い取ったとしている彦根市は、調停答弁書で「相手方委員会(注:国宝・彦根城築城400年祭実行委員会)と申立人との間には契約関係は全く存在しない」と述べた。さらに「“ひこにゃん”の知名度が向上したのは相手方委員会をはじめとする多くの市民の努力と多額の費用の投入によるものであり、もし、申立人がひこにゃん人気を自らの手柄とでも思っているのならば、間違った考えであることを指摘しておきたい」とバッサリ。

 また、ひこにゃんの絵本を出版したサンライズ出版に対しても、彦根市や実行委員会の許諾なしに出版したとし、「同社だけが絵本を発売して利益を独占しようとしている」「同社には近江商人の“三方良し”の精神が全く欠けている」など激しく批判している。ひこにゃんに日本刀を持って攻め込ませそうな勢いだが、相手が自らの作者ではひこにゃんも悲しみのあまり泣き出してしまうだろう。

 これに対してもへろん氏が所属する桜井デザインは、「彦根市は著作権について全然理解していない。彦根市には1年前から話し合いの場を求めてきたのに応じてもらえず、彦根市はひこにゃんをちゃんと使用していくための建設的な方策を出していない。ひこにゃんをしっかり管理したいだけなのに、争う姿勢を示すなんてナンセンスだ」と、本誌の取材に憤りを隠さなかった。

 こうした事態に発展した背景には、ひこにゃんを利用したい個人や業者が申請書を実行委員会に提出すれば、無料で承認されるという制度の存在が大きい。ちなみに、グッズの使用料は彦根市にも入らず、利益はすべてが業者の懐に入るシステムだ。この制度のおかげで大量のグッズが発売され、ひこにゃんは一気に全国区の人気キャラクターとなったが、一方で、ひこにゃんにメガネをかけさせるなど勝手なデザインの改竄や性格付けも行われてしまい、もへろん氏が考案した当初の3パターンとは異なる「ひこにゃん」が生まれてしまったのだ。
(宗像明将/後編へ続く

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最終更新:2008/06/19 23:24
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