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企業離れが急加速中 ゴーマン日経“失墜”間近!?

20080123_nikkei1.jpg東京・大手町の日経新聞本社は、
経団連会館の隣に位置する

 経済報道では抜きんでた存在の日本経済新聞(以下、日経)。時に「ニッポン株式会社の広報紙」とも揶揄されるが、経常利益では325億円(06年度)と、2位の読売新聞を約125億円上回り、「企業としては、朝日と読売を上回る存在」(大手紙幹部)という、押しも押されもせぬ大新聞だ。

 我が世の春を謳歌しているように見える日経だが、内部では深刻な危機が囁かれている。それは、将来的な部数の大幅な減少だ。日経のターゲットはサラリーマン層だが、最もコアな読者層として長い間位置づけてきたのが団塊の世代。この世代の定年による大量退職が昨年から始まり、これに伴う発行部数の減少が懸念されているのだ。

次のターゲットは、キャリア・ウーマン

「日経は『仕事と直結する新聞』というイメージが強すぎて、退職とともに購読を取りやめるというケースが目立っている。取材で会う経営者の中には、『仕事を退職して一番うれしいのは、文字の小さい日経を読まなくて済むようになることだ』などと面と向かって言う人もいるほど。業界全体の問題である新聞離れと相まって大幅な部数減少が起こる可能性もあり、社内では脅威として受け止められている」(日経の若手記者)

 そこで日経が新たな読者層として位置づけているのが、キャリアウーマンを中心とした女性層だ。地下鉄駅構内などに張り出すイメージポスターでは、“デキる女”風の女性に日経新聞を持たせる図柄が、ここ数年頻出。紙面でも、子育てや女性の活躍を支援する企業の取り組みなど、女性に関する記事が多くなっている。さらに、女性読者限定の会員制クラブ「clu b Nikkey(クラブ・ニッキィ)」を開設し、会員間の交流イベントなどを開催。このため東京など大都市部では女性読者の増加に成功しているが、地方では目立った効果が出ておらず、「団塊の世代をカバーする規模には至っていない」(日経デスク)と、根本的な解決策にはなっていない。

 だが、それ以上に深刻なのが、これまで日経の取材に協力的だった企業の“日経離れ”。大企業を中心に、「わざわざ日経に載らなくてもいい」という風潮が出てきているというのだ。その原因となっているのが、同社の強引な取材手法への反感である。

カン違い若手記者に、企業も辟易

「日経の記者は、『経済系の重要な話は、まずうちに載せるのが当たり前』という態度で、露骨にリークを求めてくる。ある重要事項をマスコミ各社に一斉にプレスリリースした際、日経の担当記者から『いったい何を考えているんだ! 見識を疑いますよ』なんていうトンデモ電話が来たことも。大学を出たばかりの若手記者でしたが、そんな記者の見識のほうを疑いますよ(笑)」(大手流通業の広報担当者)

 こんな取材で無理やりニュースを聞き出した揚げ句、掲載されてみれば小さな扱いということも少なくないというから、企業の日経離れが進むのも納得がいく。同業他社からも、「そうはいっても、 “日経ブランド” を信仰して、まずは同社に情報を流す企業も多い。夜回りにも来なかったくせに、翌朝の日経紙面で、明らかにリークとわかるスクープ記事が載っていることなどざらだから、怒りが込み上げる。スクープは本来、自分の足で稼ぐものだと思うんですが」(全国紙経済部記者)という非難の声が上がるほどだ。こんな記者が育ってしまうのは、日経の風土ゆえという指摘も。

「日経では、ひとつの業界に数人の記者を配置して、手厚くニュースを掘り起こすやり方をしている。それ自体は悪いことではないが、このシステムが『他紙に先駆けてスクープを飛ばすことなど当たり前』といった風潮や、同僚との競争という“社内ゲーム”ばかりを激化させるという弊害を生んでいる。日経という看板があるから企業も情報をくれるというのに、それがわからずに自分の実力と勘違いしている若手が非常に多い」(日経の中堅記者)

 企業の腐敗はその内部から始まるというのは、経済の常識。こんなことを日経が知らないわけはないだろうが……。        
(千代田文矢)

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最終更新:2008/01/24 11:09
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