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エイベックス映画が初の快挙!『レッドクリフ』が首位を奪取!!

Redcliff_sub3.jpg(c)2008 Three Kingdoms Ltd.(c)Bai Xiaoyan

 エイベックスにとって、08年11月4日は忘れられない日になったことと思う。1つは小室哲哉が逮捕された日として、そしてもう1つ、自社配給の映画が初めて興行ランキング第1位を獲得した日として。

 前者については、我々の守備範囲外なのでここで何も書くことはない。だが後者については、その偉業について讃えておく必要がある。例によって、週末の興行ランキングを見てみよう。

1 (初) レッドクリフ Part I (東宝東和、エイベックス)
2 ( 1) 容疑者Xの献身 (東宝)
3 (初) まぼろしの邪馬台国 (東映)
4 (初) ハンサム★スーツ (アスミック・エース)
5 ( 2) イーグル・アイ (角川映画、角川エンタテインメント)
6 ( 3) ホームレス中学生 (東宝)
7 ( 5) P.S.アイラヴユー (ムービーアイ、東宝東和)
8 ( 7) センター・オブ・ジ・アース (ギャガ)
9 ( 6) ICHI (ワーナー)
10 ( 9) おくりびと (松竹)
※(11月1~2日・全国動員集計)興行通信社提供。頭のカッコ内は前週の順位。

 そもそも『レッドクリフ』は、エイベックスグループ創立20周年、東宝東和創立80周年、テレビ朝日開局50周年記念作品というアニバーサリーが3つも重なった事業である一方、エイベックスとしては、製作出資に30億円を投下したハイリスク事業でもある。

 監督のジョン・ウーは中国大陸の出身で、ハリウッドでも『フェイス/オフ』や『M:I-2』など華々しい実績を持つ。加えて、東京国際映画祭に合わせた来日プロモーションや、公開間際の自社アーティスト大量稼働も奏功して、同作はエイベックスが配給した映画では初めて、国内ランキングの1位を記録した作品となった(製作に参加した作品としては、07年の『蒼き狼 地果て海尽きるまで』の1位がある)。

 1日の映画サービスデイを頭に、3連休となる11月の最初の週末に公開日をセットした作戦もうまくハマった。オープニング3日間の成績は、動員82万5000人、興収9億6100万円と発表されている。最終的には40億円以上が見込まれる出足となっており、目下のターゲットは、03年公開の『HERO』の持つ(日本映画を除く)アジア映画の最高興収40.5億円である。ちなみに『HERO』のオープニング2日間の成績は、動員43万3000人、興収6億3400万円。こちらは2日間の数字なので比較が難しいが、ほぼ同等か『レッドクリフ』の方がやや上と見ることができる。アジア映画ナンバーワンの座は、十分に奪取可能である。

 映画の評判も概ね良好なのだが、ストーリーは、肝心の『赤壁の戦い』が描かれる手前で終わってしまうことに、意外性や失望を漏らす向きも多い。そう、この映画は『Part I』『Part II』の2部作なのである。最大のクライマックスとなる『赤壁の戦い』が描かれる『Part II』は09年4月公開。実は、この、2部作とした(なってしまった)のもかなりのリスクと見られていた。興行が2回に分割されるのだから、必然的に、宣伝費やプリントのコストはおよそ2倍になる。1作目が成功すれば御の字なのだが、失敗したときの痛手は大きい。過去には、『キル・ビル』2部作(ギャガ配給)がVol.1で興収25億円を上げたが、Vol.2では11億円と半分以下になってしまったケースがある。2作合わせて36億円というのは大ヒットの部類だが、2回の封切りにかかったコストを想像するに、決して効率のいいビジネスでなかったことは間違いない。

 もちろん『レッドクリフ』は、『キル・ビル』とは内容も客層も違う。オープニングの勢いからいって1作目で40億円、2作目をその半分の20億円として、最低でも興収60億円は行けるだろう。題材が三国志だけに、平日の稼働(=シニア層)も期待できる。できれば、2作合わせて80億円、いや100億円以上を狙って欲しいものである。
(eiga.com編集長・駒井尚文)

作品の詳細は以下より。
『レッドクリフ Part I』
『レッドクリフ Part I』映画評
ジョン・ウー監督&トニー・レオンインタビュー

狼 男たちの挽歌・最終章

ジョン・ウーといえば絶対コレ。異論は認める。

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最終更新:2008/11/11 20:00
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