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※=外部スタッフ

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本

もうひとつのニッポンスポーツ史『在日アスリート列伝』(前編)

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新たな在日スポーツ選手のイメージを
作った李忠成
 プロアマ問わず、日本のスポーツ史は在日アスリートの活躍を抜きにしては語ることはできないだろう。そこで、「在日とスポーツ」という観点から関連書籍を取り上げ、スポーツの表舞台からは見えてこない彼らのアイデンティティと強さの秘密を探っていく。


 * * *

 昨年6月、Jリーグの柏レイソル所属選手で北京五輪日本代表の李忠成(リ・タダナリ)の書籍『忠成 生まれ育った日本のために』が出版された。名前が示すとおり、彼は韓国にルーツを持つ在日韓国人4世であったが、昨年2月に日本国籍を取得。日本代表選手として五輪出場への道を切り開いた、在日コリアンスポーツ史に登場した新しいタイプのスポーツ選手と言っていいだろう。

 同書は李忠成の生い立ちからサッカーを中心としたさまざまな経験や葛藤について、本人の言葉を織り交ぜながら書き綴られているものの、一般にイメージされる、日本人に差別を受け、本名を名乗りたくても名乗れないという、お決まりの"在日ストーリー"は描かれていない。その理由を、サッカー専門誌編集者はこう解説する。

「李自身が、在日ということにそれほどこだわっていないので、あえて在日としての生きざまを描く必要がなかったのでしょう。いまどきの若者らしいすごくフラットな考えの持ち主ですし」

 とはいっても、表では明るく振る舞い、試合になれば熱い姿を見せる李とて、在日という"刻印"と常に戦ってきたのは間違いない。李自身も北京五輪出場前にこのようなコメントを残している。

「五輪がなかったらこれほど注目されることもなかっただろうし、帰化することもなかったと思う。五輪出場をきっかけに、在日コリアンとして悩む人たちに、ひとつの手本のような存在になりたい」

 事実、今でも出自を隠している在日スポーツ選手は数多く存在し、彼らが出自を明かす、また逆に、誰かが彼らの出自を晒すことはタブーとされている風潮がある。

「出自をカミングアウトする人もいれば、そうでない人もいます。個々によって考え方は当然違います。ただ、ひとつ言えることは、日本のスポーツ界に在日がいなければ、その面白さは半減してしまうでしょう。それほどまでに、スポーツ界にとって在日の存在は大きいんです」

 こう語るのは『在日はなぜスポーツに強いのか』の著者で、在日ジャーナリストの康熙奉(カン・ヒボン)氏だ。本著は野球の張本勲を筆頭に、ボクシングの元WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守ら、出自を公言しているアスリートをくまなく取材し、スポーツの表舞台では語りたくても語れない彼らのアイデンティティと誇り、そして強さの秘密に迫った力作だ。

「日本のスポーツ界の歴史をたどってみると、在日の選手が多いということだけじゃなく、彼らがそのジャンルのトップに立っていることがわかります。中でも、在日スポーツ選手を代表するのは、やはり力道山ですね」(康氏)

 力道山に関する書籍は数多く出版されているが、ここでは『もう一人の力道山』を紹介したい。敗戦でボロボロになった日本に彗星のごとく現れたプロレスラー・力道山。第二次世界大戦で身も心も疲弊した日本国民は、巨漢の欧米人レスラーたちをなぎ倒す彼の姿に熱狂し、「日本プロレス界の父」「天皇の次に有名と言われた男」とまで呼んだ。しかし、そんな力道山の出身地は、現在の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)であり、本名が金信洛だったというのは、あまりに皮肉な話だ。この本は、"力道山の素顔"と刺殺事件の裏側に見える謀略などに迫ったノンフィクションで、著者が実際に平壌に足を運んで現場取材を敢行しているという点で、とても興味深い作品となっている。

「そして英雄・力道山亡き後、在日が次に希望を託したのは張本勲です。張本を見るために、私も子どもの頃は、父親に野球場へ何度も連れていってもらいました」(同)

 日本球界でいまだに打ち破られていない通算3085安打の記録を達成した張本は、自ら韓国人であることを明かしている。彼の人生は『誇り 人間 張本勲』に詳しいが、出自を公言したために、誹謗中傷や差別も数多く受けて人生を歩んできたという。

●芸能とスポーツだけが突出できる進路だった

 力道山や張本以外の在日スポーツ選手を挙げるとすれば、空手の大山倍達、プロレスラーの長州力や前田日明、元プロ野球選手の金村義明、現役プロ野球選手では阪神タイガースの檜山進次郎、日本ハムの森本稀哲、さらには格闘家の秋山成勲など、枚挙にいとまがない。

 では、在日スポーツ選手が、幅広い種目で日本スポーツ界のトップに立つ原動力とは一体なんなのだろうか?
後編につづく/文=金明昱/「サイゾー」1月号より)


忠成 生まれ育った日本のために


まだ23歳。


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2009.01.09 金   はてなブックマーク BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク livedoor クリップ みんトピに投稿 newsing it! この記事をChoix! 友達に知らせる