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連載

【退屈巡礼】vol.12


「税金の無駄遣い!」山梨『大門碑林公園』は今日も閑古鳥



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山梨の静かな山あいに、いきなり現れる異文化空間。
決して高級中華料理店ではありません。

この退屈なご時世に、退屈しのぎに退屈な場所に行ってみるシリーズ【退屈巡礼】。第12回は、山梨・市川三郷町の『大門碑林公園』。「退屈巡礼」というコラムでこんなことを言うのもナンですが、本気で退屈なのはちょっと......。園内の様子はこちらから

 この「退屈巡礼」の連載の基本コンセプトは「がっかりを楽しむ」というもの。しかし、その心構えをもってしても攻略困難な、本当に取りつく島もないような"完全退屈物件"とでも呼びたくなる施設に巡り会うことがたまにあります。個人的にそのひとつとしてカウントしておきたいのが、山梨県市川三郷町にあります「大門碑林公園」。

 一体ここ、どんな所なのかと言いますと、中国の西安などにある、あちらでの国宝級の石碑を再現して集めた公園で、パンフレットによると「中国や日本書道史上、画期的な事業だと言われている」と自画自賛......いや、非常にその意義を強調されているわけですが、正直なところこれを理解できるほどの教養や知的好奇心にあふれた人って、どれだけいるものなんでしょう? 別に個人や私企業が造る分には何も文句を言う筋合いはありませんが、がっつりと税金を投入して造った施設としてはずいぶん思い切ったことをしてくれたものです。

 そもそも、このあたりは紙の生産で有名だった流れから書道などもさかんなのだそうですが、そこから中国の石碑ってかなりのビックリ展開ですよね。ちょっと「書道のまちづくりの中核」と言うのは無理があるような......。

 とまぁ、文句ばかり書くのは本意ではない(これでも、いつも書いている本人は楽しんでますからね)ので中身を紹介していきますと、とにかくここ、見た目はカンペキに中国風庭園。もうちょっとショボいものなら逆にB級スポットとして楽しめたかもしれませんが、あちらの博物館の監修が入っているだけあってツッコミの隙もなし。これが無料開放されている公園ならよかったんですが、入園料がおとな600円かかるせいで、遠目にも奇異な風景に興味をもってきた人も、誰も中までは入ってきません。休日だというのに自分たち以外誰もいないんですけど......。

 とにかく庶民には意味も価値も分かりかねる石碑のレプリカ(ご丁寧に日本語・中国語・英語の音声ガイダンスがついていますが、決してわかりやすく解説されているわけではない)と、やたらと急勾配な石段ばかり(来園したきんさん・ぎんさんも登りましたよ、といった励まし? のプレートがありましたが、だから何なんだと言いたい)の園内に心も体もぐったりしてようやく頂上に到達しましたが、「たしかに眺めはいいよね......ハハハハ」と力なく笑いたくなるばかり。

 同じく来園者にハイレベルな教養と体力を要求する公園といえば、岐阜にあるバリバリの現代美術系公園「養老天命反転地」を思い起こしますが、あちらが「たとえ理解できなくてもワクワクする」のに対し、なんでしょうかこの虚脱感。やっぱりお金かかってるわりには「所詮はコピー」だからなんでしょうか? そしてその特等席ともいえる展望台には、ちょっとは敷居を下げようという意図なのか、地元の書道大会の入選作品が石板にされて並べられています。でも、いきなり「青ぞら」とか石板にされても、どうリアクションすればいいんですかコレ!?

 しかしこんな施設にも「ゆるポイント」はあるもので、まったく場にそぐわないコアラの水飲み場とか、「やっぱり中国といえばパンダだよね!」と納得しかけた石像が、どうみてもタヌキの改造としか思えない立派なキ●タマをお持ちだったりとか、けっこう抜けたところも発見できます。話によると「人がいない」「遊べない」「税金の無駄遣い」と地元でもさんざんな言われようらしいので、一般ウケを狙ってもっとグダグダになっていく過程がこれからの楽しみかもしれません。


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遠くからでも目立つせいか、入口まではたまに人が来るんですが、
入園料がかかるとわかるとここで皆さんお帰りに。

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たしかに中国風の庭園としての完成度は素晴らしいもの。
ドラマのロケなどには大活躍。

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園内はとにかく急勾配!
展示物を理解する教養が無い場合は、あっという間に心が折れそう。

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中国では国宝級の石碑を完全再現したレプリカ......
と言われてもなぁ......。要求レベルが高すぎる!

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せっかく3カ国語で解説されても、
ちょっと興味があって来た程度ではまったく理解できず。

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こんな園内なので中国の石碑一本でいくのかと思いきや、
中途半端に日本のものもあったりします。

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頂上にはややメジャーっぽい三蔵法師のお言葉が......って、
別に嬉しくともなんともないよ!

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とりあえず、眺めがいいのだけは間違いありません。

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少しは地元民へのウケを意識したのか、書道大会の入選作品を石板に。
でも「だから何?」という気持ちはさらに強くなるばかり。

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きんさん・ぎんさん来園記念の手形も石に。(墓石ではありませんよ!)
というか、紙と書道の町じゃなかったっけココ?

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えっと、「中国にコアラはいないよ!」とつっこんでおくべきでしょうか......。

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「そうそう、中国はパンダだよね!」と思ったのもつかの間、
どう見てもタヌキが化けたもののようです。

●ご利用の心得

・まっとうに楽しむためには、知力と体力のどちらも必要です。
・来園者が少ないせいか、なかなか受付の係員が来ない場合があります。忍耐力も必要です。
・なにかカンフー系の撮影をしたい人にはオススメ。実際にロケにも使われています。


●あまり親切でないご利用案内

■開園時間 午前9時30分から午後5時(入園は午後4時まで)
■休園日 毎週月曜(祝日の場合は翌日休)、および年末年始(12月27日~1月7日)
■入園料 一般・大学生600円 高校生500円 小中学生250円
■所在地 山梨県市川三郷町市川大門4930
■アクセス JR身延線市川本町駅より徒歩やく15分。車の場合は中央自動車道甲府南I.Cより約20分
市川三郷町のHP内のページ
(取材・文/大黒秀一)


●連載「退屈巡礼」INDEX
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この作品のロケ地だったそうです。


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2009.03.09 月  



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