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ロングインタビュー【前編】

ホリエモン、宇宙を語る!「ロケットビジネスや寿命を延ばす研究をしていきたい」

horiemon01.jpg飛ぶ!

 現在発売中の「月刊サイゾー」6月号で、逮捕・保釈後の心境の変化や最近の活動、有罪判決への反論などを語ったホリエモンこと堀江貴文氏。ここでは、その「月刊サイゾー」では掲載しきれなかったパートを紹介しよう。同記事では「ITビジネスには、もう興味はない」と言い切った堀江氏だが、それでは、彼が考える将来像、取り組みたいビジネスとはどんなものなのか? ジャーナリストの佐々木俊尚氏が聞いた。

●ロケット事業に夢中なワケ

佐々木俊尚(以下、佐) 将来はどう考えてますか?

堀江貴文(以下、堀) とりあえず当面は、ロケット開発の仕事ができればいいです。

 ロケットって、実現するまでの期間が長そうですね。

 いやいや、全然そんなことないですよ。ロケットの技術って今ものすごい進歩してきてるんですよ。最近よくニュースで聞くでしょ。イランとか北朝鮮がロケット打ち上げたとか。今までそんな国々は、打ち上げることができなかったんです。でも今は技術が普及してコストも下がってきてるから、知見が高まってきてるんですよ。

 何のためにロケットを打ち上げるんですか?

 今考えているのは、他の恒星系まで行って、地球みたいな星を探すとかですね。そういう星を見つけたら行ってみたいとも思うし。それが目標なんですけど、第一ステップとして、まずは地球の重力圏を抜けたいな、と。

 自分が乗りたいとかではなくて、あくまでビジネス?

 ビジネスというよりは、探検ができる環境作りですかね。いわゆる金稼ぎをするためのビジネスではないですよ。

 宇宙事業にはどのぐらいつぎ込もうと思ってるんですか?

 いや、もう宇宙旅行の会社に、何十億って単位で投資してます。ライブドア株売却で得た資金の大半はそれにつっこまれてますよ。前からやってるロシアの有人宇宙カプセルの会社にも関わっていて、もうカプセルを買って英国から日本に輸出してるんですよね。で、今はロケットの買い付けに関して、いろんなことやってるところです。

 そのプロセスで思ったのは、ロケット産業のキーデバイスはやはりエンジンだ、ということですね。あとはただの筒ですから。もちろん制御装置なんかもあるけど、GPSにしろジャイロにしろ、すごい高性能のものが安く普及してるんで、もう楽勝なんですよ。で、自分の位置を測定してエンジンの角度を変えたりとかの計算も、小さなコンピューターでできてしまう。

 まずは人工衛星とかを飛ばす?

 そうですね。マイクロサット(重量約50キロ程度までの小型衛星)と言われるような、ものすごい小さなものから。

 それは収益化できるんですか?

 僕らがやっている計画がうまくいけば、収益化は間違いなくできますね。打ち上げコストがものすごく安くできるんですよ。今までのロケット開発って軍事用や研究用であったがゆえに、技術のハードルが高いものを選んでるんですよね。だけど別に、60年前のV2ロケットの頃のテクノロジーでまったく問題ないですから。宇宙に飛ばすだけでいいなら、一番ローテクを使うのがいいわけですよ。

 競合する会社はありますか?

 この分野ではイーロン・マスク(南アフリカ生まれの起業家)のスペースX社が一番先を行ってますよね。

 衛星の事業って、どこの需要が一番大きいんですか?

 マイクロサットが普及すると、いろんな用途が出てくると思うんですよ。一例を挙げると、気象衛星ってひまわりじゃないですか。静止衛星っていうタイプの衛星で、36,000キロの彼方にあるんですよ。遠いから画像がものすごく荒い。どんな高性能のカメラを搭載したとしても、あれが限界なんですよ。

 でも例えば、地上から700キロぐらいのところに衛星をたくさん打ち上げる。静止軌道じゃなくてもいいんです。要は、日本の上空に必ず1基の衛星がカバーしてる状態が作れれば。で、何十基か打ち上げて、それに高性能のカメラやセンサーを搭載する。そうするとたぶん、赤坂1丁目の天気とかが予測できるようになるんですよ。例えば、1基あたり100万で打ち上げられるとしたら、100基打ち上げたって1億円程度ですよね。ウェザーニュースとか絶対買いますよ。

 今はどれぐらいかかるんですか、1基打ち上げるのに。

 そんなにはかからないですよ。ロシアの古いICBM(大陸間弾道ミサイル)とか使うケースだと安くなる。相乗りするんですよ。例えば、10億ぐらいのやつを買って、10基相乗りで、1基あたり1億とか。

 ICBMを使ってるんですか。

 別に驚くことではなくて、日本の宇宙基本計画にだってそれは盛り込まれてますから。「ロシアのICBM」とは明記されてませんけど、他国の打ち上げサービスを使いますって言ったら、全部ロシアですよ。ドニエプルっていう、サイロから打ち上げるタイプのロケットとか、シーローンチっていう、大西洋上に浮かんでいる石油の掘削プラントを利用した打ち上げプラットフォームを使って、ICBMを打ち上げる会社があったりとか。

 今、打ち上げビジネスというのは、すごくホットで面白い分野ですよ。この分野をどんどん大きくしていって、次に有人ロケットを打ち上げる。で、有人ロケットを、一人何百万円のコストで打ち上げられるようになれば、そこから外に行こう、という技術開発が始まると思うんですよ。そこでもう一つブレークスルーが必要で、小惑星体を開発しなければいけない。地球から打ち上げるとコストと時間がかかり過ぎるので、小惑星体を基地にして、そこから資源を得てロケットを打ち上げられるようにする必要があるんです。

 そこまでいくと、もう生きている間には無理じゃないですか?

 だから早くやらないといけないし、寿命を延ばすような研究にも投資をしなければいけないと思うんですよ。老化を遅らせて、寿命を長くする技術革新も、そのプロセスの中でやっていかなければならないですよね。
(後編につづく)

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最終更新:2009/06/19 13:30
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