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裁判員の準備書! 傍聴暦1000件の筆者が法廷で見た”エグい涙”とは?

houteide.jpg『法廷が流した涙』(ぶんか社文庫)

 さまざまな問題を孕みながらも、裁判員制度がスタートした。当初のアンケートでは半数近くがこの制度に肯定的だったようだが、時間の経過とともに国民の不安も増幅の一途。最近のある調査によれば、8割近くが「出廷したくない」「自信がない」とネガティブなイメージを持っているようだ。

 ともあれ、一般人が他人を裁く時代がやってきてしまったことは確か。実際に法廷に立ったときに、我々は何を思い、何を語るべきか。そのヒントとなりえる本がこのほど出版された。『法廷が流した涙』(ぶんか社文庫)がそれ。過去に1000件以上の事件を傍聴してきた筆者が、自分の目で見続けてきた法廷内の人間ドラマを、一冊の泣けるエピソードにまとめたもの。今春発売された『おくりびとが流した涙』(記事参照)に続く、”泣かせる実話シリーズ”第2弾となる。

「『おくりびとが流した涙』は発売から5日で増刷がかかり、『死を身近に感じた』『家族への感謝の気持ちが生まれた』などの切実な声をたくさん頂戴しました。人の死を感じて涙し、そのうえでどう生きるか。読まれた方がそれぞれの人生の中で生と死を考える一つの機会にしていただけたようです」(ぶんか社編集部)

 今回の『法廷──』も全て実話とのこと。有名なあの事件、この事件が出てくるのか?

「あえて無名といえる事件に絞りました。登場するのは全て”普通”の人。普通が普通を裁くことが何を意味するのか。本書を通して事件や社会と向き合うことで、人の死がニュースの中の他人事でないことを実感するのではないでしょうか」(同)

 数々の事件を見続けてきた筆者の白木氏。つい先日も「神隠し殺人」と騒がれた江東区の女性バラバラ事件を傍聴したようだ。

「悲惨な事件でした。凄惨な犯行描写に遺族が耐えられず泣き崩れて退室したのですが、その休憩所が法廷のすぐ近くで、遺族が泣き叫ぶ声が法廷まで微かに聞こえてくる。そんな空気の中で被告人は、遺体を切り刻む様子を平気で説明している。刑事裁判とは恐ろしい場であることをあらためて感じました」(白木氏)

 こうした同情の余地がない事件もある一方、傍聴する側の目からは”悪人”の枠に納めづらい被告人像も多く見てきたとのこと。

「被告人も被害者もそれぞれの人生が根っこにあります。それをどこまで理解するのか、あるいは理解する必要はないのか。全ての事件は実に多面的です。誰もが裁判とは無縁でなくなった今、一般の方も事件の様々な面に触れ、人間について深く考えてみることが大事なことなのかもしれません」(同)

法廷が流した涙

本当に人が人を裁けるものなのか?

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最終更新:2009/08/20 14:00
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