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芸能

本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」Vol.54


眞鍋かをりの影にも暗躍!? 芸能界移籍問題に見る事務所同士のパワーゲーム



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『眞鍋かをり KaoRemiX 』
(ラインコミュニケーションズ)

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 タレントの眞鍋かをりが、所属事務所に対して契約解除の確認を求める訴訟を起こした。この手の独立・移籍トラブルは、芸能界では珍しいことではない。これまでも数々の大物タレントが、独立・移籍トラブルの渦中に身を置いてきたが、筆者が取材した中でも特に記憶に残っているのは、中森明菜と渡辺謙の件だ。

 1989年7月に、明菜は自殺未遂騒動を起こした。松田聖子と並び、アイドルの頂点に上り詰めた明菜はマッチこと近藤真彦と、デビュー間もなく熱愛関係に陥って、自宅マンションでのデートを重ねていた。だが、2人は会う度に喧嘩を繰り返し、それが原因で明菜は自殺未遂を再三繰り返していたという。結果、次の日のコンサートをドタキャンすることも度々あったというのだ。

 明菜育ての親といわれる所属事務所「研音」の元幹部は、「89年7月のときも、明菜が自殺未遂したと聞いて、またかと思った」と当時のことを筆者に語ってくれた。この元幹部によると、いつものことだから慌てることはないと思いつつ病院に駆けつけると、すでに、マッチの芸能界の母親代わりであるジャニーズ事務所の"女帝"といわれていたメリー喜多川副社長が病院にいて、明菜に「あなたは、研音に騙されているのよ」という嘘を吹き込んでいたというのだ。

 明菜が莫大な資金をマッチのレース活動に貢いでおり、金銭問題も喧嘩の一因とされたが、メリー氏はマッチを守ろうと、明菜に対して「あなたは事務所に騙されている。不当に搾取されている」というようなことを吹聴し、明菜の不満の矛先を研音に向かわせたとされる。この言葉を信じた明菜は、すぐに独立を決意。その年の12月には、メリー氏の計らいもあってか、マッチのレコーディングディレクターだった小杉理宇造(現ジャニーズ・エンタテイメント代表)氏をスタッフにつけて、新事務所を設立、明菜もそこに移籍した。ところが活動を再開しないうちに小杉氏が事務所を辞めてしまい、明菜はハシゴを外された形になったのだ。

 研音という後ろ盾を捨てたと同時に、ハシゴを外された明菜は、自分を騙していたのは研音ではなく、メリー氏ではないかと思い、マッチとも手を切ったといわれる。研音ともジャニーズとも摩擦が生まれてしまった明菜には、裏社会も含めて有象無象が近寄ってきた。だが、そうした人物たちしか頼るものがなかった明菜のその後の転落ぶりは、筆舌に尽くしがたいものがある。

 もうひとつ、印象深い移籍劇は、02年に演劇集団「円」に所属していた俳優の渡辺謙が大手プロ「ケイダッシュ」に移籍した件だ。当時は、渡辺がより高いステージを目指すための移籍で、芸能界の"FA"といわれたが、取材する範囲では真相は違っていた。

 その頃、渡辺は、女性誌に愛人スキャンダルを報じられた。妻子持ちの渡辺にとっては、テレビなどがこのスキャンダル報道に追随すると、大きなイメージダウンになりかねない。海外進出の矢先だっただけに、なおさらスキャンダルの拡大は避けたかったのだ。そのために、大手マスコミに影響力を持つケイダッシュに駆け込んだという見方がもっぱらだったのだ。

 確かに、その後、この愛人スキャンダルは終息した。しかし、皮肉なもので、移籍直後に夫人(当時)の"金銭トラブル"が発覚、離婚騒動が持ち上がった。嵐のようなマスコミ報道に、さすがのケイダッシュもなす術がなかった。

 その後、渡辺はハリウッド映画『ラストサムライ』に出演。ハリウッドスターの仲間入りしたことで、ケイダッシュの川村龍夫会長の手腕が評価されたが、同作にキャスティングしたのは、ハリウッドに信用がある演出家の奈良橋陽子さんだった。奈良橋さんがいなければ、今の渡辺はなかったと言っても過言ではない。

 そんなケイダッシュだが、芸能プロの業界団体・日本音楽事業者協会に加盟していない弱小プロに所属する将来性のあるタレントに対して、自社への移籍を推進しているともいわれている。自殺した元TBSの川田亜子さんも、ケイダッシュに移籍を促された一人のようだが、彼女や渡辺を含めて、同プロへの移籍が成功だったと言い切るのは難しい。

 さて、所属事務所に対して訴訟を起こした眞鍋。筆者はバーニングプロダクションとの裁判(記事参照)で、いかに司法が芸能界に理解がないかを痛感した。5年前の川村ゆきえの移籍トラブルの際も、契約書を盾にとった旧事務所側の言い分が認められて、彼女は活動休止に追い込まれていた。このとき、旧事務所側の背後で暗躍していたのが、眞鍋との不和が取りざたされ、昨年脱税で逮捕された眞鍋の所属事務所オーナーだ。さらに、ケイダッシュ川村会長も調整役として介入していた。今回も、所属事務所側には川村会長の存在が見え隠れする。彼らは闘い方を心得ているだけに、眞鍋の移籍問題も予断は許さない。眞鍋が活動を再開するためには、乗り越えるべき山はいくつもありそうだ。
(文=本多圭)


眞鍋かをり KaoRemiX


帰ってくるまで待ってるよ。


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2010.02.25 木  



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