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落涙必至──徳光正行が語る、故・三沢光晴の知られざる素顔『伝説になった男』

misawa0902.jpg『伝説になった男~三沢光晴という人~』
(幻冬舎)

 2009年6月13日、広島県立総合体育館グリーンアリーナでGHCタッグ王座選手権に臨んだ三沢光晴は、相手のバックドロップを受けて意識不明となり、そのまま帰らぬ人となった。人気レスラーのあまりに突然の死だった。あれから1年余りが経とうとしている。

 2代目タイガーマスクとして人気を博し、全日本プロレスで最も権威のあるとされる三冠ヘビー級チャンピオンを五度獲得。ジャイアント馬場亡き後、全日本プロレス社長に就任し、2000年に新団体「プロレスリング・ノア」を立ち上げるなど、数々の偉業を成し遂げてきた”エルボーの貴公子”三沢光晴だが、その素顔とは一体どんなものだったのか? 『伝説になった男~三沢光晴という人~』は、徳光和夫の次男でタレントの徳光正行氏が、三沢光晴との17年に渡る交流を振り返ったエッセイだ。飲みの席での行動・言動など、一般の評伝にはないエピソードが数多く記されている。三沢のイメージカラーであるエメラルドの装丁が、故人の勇姿を彷彿とさせる。 

 徳光氏と三沢光晴との交流は1992年、パーティーの席で父・徳光和夫に紹介されたことが始まり。それからというもの、頻繁に飲みに誘われ、弟同然に可愛がってもらった。徳光氏にとって三沢は、兄貴であり、恩師であり、そしてヒーローだった。気さくで、面倒見がよく、動物好き、下ネタ好き。普段は優しいが、間違った時には毅然と叱ってくれる。どんなに小さな約束も決して破らない。男が惚れるような男っぷりだったと徳光氏は語っている。ノアを立ち上げる際、全日本プロレスからほとんどの選手が付き従ったという話からも、その人徳のほどがうかがえる。かつてノアに所属した”アパッチ・タワー”高山善廣いわく「三沢さんは”社長”というよりも”親分”だ。企業の社長にしては少し優しすぎたのかもしれない」

 三沢光晴はエメラルド色のタイツを履いている時、”大”をしないという。常にヒーローであり続けた男の美意識の現れだろう。この本は”伝説になった男”三沢光晴の、リングの上では見ることのできない姿を知ることができる貴重な一冊だ。読めば一層、その早すぎる死が悔やまれるのである。
(文=平野遼)

・徳光正行(とくみつ・まさゆき)
フリーアナウンサー・徳光和夫氏の次男。現在は東京MXテレビ『ザ・ゴールデンアワー』にてメインMCを務め、ニュースの報道や、外国人パネリストとの文化比較討論などを視聴者に伝えている。父と同じく、大の野球ファンである。また、熱狂的なプロレスファンでもあり、生前の三沢光晴とは夜な夜な錦糸町界隈で飲み明かしたほど親密であった。著書に『せんえつですが……。徳光和夫の日常』(幻冬舎)がある。

伝説になった男―三沢光晴という人

永遠のヒーロー。

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最終更新:2010/09/12 15:00
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