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アルパカ、パンダ、ハシビロコウ……動物モノ映像番組が増えたワケ

panda.jpg『ひとことパンダ リーリーと
シンシン at 上野動物園』
(朝日新聞出版)

 一時、テレビで乱発されていた「衝撃映像●連発!」などの「衝撃動画」「オモシロ動画」の番組の数々。それが最近はずいぶん減っている。その一方で、動画・映像系では動物モノばかりをたびたび目にするようになった気がする。

 たとえば、アルパカをテレビ(ときにはスタジオ内!)で見る機会はずいぶんあるし、警戒すると体が細くなるフクロウや、「動かない鳥」として知られるハシビロコウ、ハダカデバネズミなど、いつの間にかお茶の間でメジャーになっている動物は数多い。

 なぜいま、動物モノばかり? ある放送作家は言う。

「震災以降、刺激の強い映像など、心に負担がかかるので良くないとされる傾向はありますね。9.11以降、映画などでも衝撃的なものが受け入れられなくなったのと同じく、現実の津波の映像の方がはるかに衝撃的であり、あれを超えるものはない。そもそも楽しくもないという見方はあります」

 『爆問パニックフェイス!』(TBS系)が打ち切られ、4月から『爆問パワフルフェイス!』となったように、震災を思い浮かべるものが避けられる中、「衝撃」という言葉自体が配慮によって使われなくなっていることもあるそう。

 当然、竜巻や事故などの映像はNGとなっているようだが、そんな中、動物ネタはやっぱり「ホッとするもの」として、見られやすいという面はあるだろう。

「昔から動物モノは安定して数字が取れるコンテンツでしたが、近年は視聴者のテレビ離れが進んでいる中、『動物関係をやると視聴率が取れる』という流れができていると思います」(前述の放送作家)

 また、動物の生態に関しても「野生最強の生物はカバ」「パンダの尻尾は白」「馬は指1本で走ってる」などなど、本来は雑学として語られていたことが近年はテレビなどでしばしば紹介されすぎて、半ば「常識」のようになってしまっているもの、さらに「ちょっと古い常識」になっているものすらある。

「こうした動物雑学も、近年新たに発見されたわけではなく、昔からあったものを紹介するようになってきているだけだと思います。旭山動物園の行動展示がきっかけとなって動物園が変わり、入園客が増えたように、本も映画も、動物に関して『見せ方を工夫すれば、人は見る』ということに気づき、面白い見せ方をいろいろ工夫するようになっています。テレビは後追いなので、そうした流れの影響ではないでしょうか」(前出の放送作家) 

 かつては写真と文字が淡々と並んでいた生き物の図鑑も、今ではさまざまな切り口によって見せる工夫がされ、大いに売り上げを伸ばしている。

 お金をかけず、ちょっとした工夫でそこそこ視聴率が取れる「安定株」として、動物モノの需要はまだまだ続きそうだ。

ひとことパンダ リーリーとシンシン at 上野動物園

うっしっし。

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最終更新:2013/09/11 19:07
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