日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > オリエンタルラジオさんの至言「”変わってるって思われたい自分”も見透かされてる」(中編)
【第31回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

オリエンタルラジオさんの至言「”変わってるって思われたい自分”も見透かされてる」(中編)

akari_oriradi02_s.jpg

前編はこちらから

――おお……そんな相方を隣で見守る気持ちは?

中田 まあ、ありがたいなと思っていますけど、そういうものですからね、消費は早いですから。頑張ってくれ!(あっさり)

藤森 ……。

――えっと、おふたりはブレークしてからずっとメディアに出続けていますけど、何か秘訣はあるんでしょうか?

藤森 やっていて分かったんですが、確かに僕らは番組がすぐに終わったりはしても、まったく仕事がなくなったことはなくて。自分でなんとなく振り返ってみると、その時々に、自分の核となるネタがあったんですよ。「とにかく大御所の芸能人とお付き合いをしてみよう」とか、「今度は女の子と遊ぼう」とか。そういう風にやっていたら、今のチャラ男になった。これはさんまさんが言ってたことなんですが、「3カ月に1回ブレークせなあかん」みたいな。それを意識したわけではないですけど、なんとなく仕事が調子よくもらえる時って、核となるネタがあるんです。だから、それを作り続けていかなきゃいけない。ネタは舞台で見せるものだけじゃないから。だからチャラ男の次は……。

――えっ! もうチャラ男の次を考えているんですか!? チャラ男、面白いのに!!

藤森 もちろん、それは分かっていますから。人って飽きますもの。変わり続けなきゃ。

中田 でも、全部ゼロになるわけではないですから。今もたまに武勇伝をやると喜んでもらえるし、そういうのがありつつ、新しいものを作っていくというか……変わろうというよりも、ただ一生懸命いい形になって生きようと思ってます。

――おふたりとも顔で損をしたことはないですか? お笑いの世界だと、イケメンだとハードルが高くなりそうです。

中田 それは両極端です。両方あるんですよ。単純に僕らの外見が好みで見てくれる女の子もいるから、スタートダッシュは早い。ただ男性の反感もある。僕も昔、モテなかった時はロンブーさんが大嫌いでしたしね(笑)。ちょうどロンブーさんが売れ始めた頃、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が始まって、通学の登下校で渋谷駅にどデカいポスターに「ロンドンブーツが出てきた!」って書いてあった時は悔しさがすごかったんですよ。「お笑いでスタイリッシュだったら、こちらに寄るすべがない!」と、非常に毛嫌いしていたんです(笑)。そういう気持ちはすごく分かるので、僕らのことも「嫌われているな~」っていうのは分かりましたね。でも、それは大人になるにつれてなくなる感情だし、気にならなくなりましたね。見た目がよくても面白い人は面白いし、ブサイクでも面白くない人は面白くないですから。

――なるほどー。中田さんはお笑い以外でも、絵を描かれたりもしてますよね。「どういう精神状態でこれを?」っていう、グロテスクな絵を……。

中田 でも、僕は普通の人間だなって思います。ああいう絵を描くことで”変わってるって思われたい自分”も出ているでしょうし、それも見透かされるでしょうし……。ただ、すごく暴力的なものを描きたくなるんですよ。首が切れていたり、怪我していたり、よく分からないんですけど、描きたいんですよね。

――DVDでも、びっくりするくらい血のりが出てきたりしていますよね。ちょっとしたホラーよりも血まみれ!

中田 DVDなんかを作る時に、「これがウケるだろう」と思って作る頭もあるんですけど、結局、衝動がないとパサパサなものになってしまうんです。衝動に忠実であろうとしてはいるんですけど、そうなるといつも暴力にいってしまう。ケンカしたこともないんですけどね(笑)。

――ケンカしない分、内面にそうとうな暴力性が秘められていそうです! おふたりのエッセーにはよくコンプレックスという言葉が出てきますが、どのようなコンプレックスをお持ちなんですか?

中田 藤森くんは、イチモツに変なイボがある。

――……えっ。

中田 あとは趣味が長続きしないのと、自分を持っていない。ペラペラである。この4つがコンプレックスだと思う。

藤森 はいはい。僕のはいいですよ。

中田 僕のは……すごいいい人になりたいと思うんです。

――今は、いい人じゃないんですか?

中田 いい人じゃないですね。この業界に入って、「なんであんなにいい人なんだろう」って思う人が多くて。ベッキーとかを見ると、「なんでまだ国民栄誉賞を得ていないのか!?」と思います。いい人であろうとしても、絶対に嫌な一面が露呈してしまうのが人間の常なので、もしキャラを作っているとしたら、逆に反動の闇が気になるんです。誰だってスーパーマンのままではいられないですから、ベッキーはどこで人間になるのか? だから、僕は核シェルターの中でベッキーが何をしているのかを考えると、涙が出てくる。だから、僕もいい人になりたい。すごく。

藤森 「いい人になりたい」って言っているうちはダメなんですよ。ベッキーは自分のことを「嫌な奴」って言いますから。たぶん、僕らの次元では考えられない何かで形成されているんだ。

――あはは! ベッキーは本当に毎朝、Twitterで全人類の幸せを祈ったりしていますもんね。そして中田さんはそれをお気に入りに入れている(笑)。Twitterに関しては、おふたりともかなり真面目ですよね。たまに若くてかわいい女の子をズラーってフォローしてたりする人もいるけれど、チャラ男キャラの藤森さんは全然そうじゃない。

藤森 そうですね。あっちゃんは尋常じゃない数フォローしてますけど。

中田 僕は3万人フォローしてますから。人とかかわろうと思って。

藤森 でも、ほとんどブロックするじゃない、あなた。

中田 僕は極端なので、「私をフォローしてください」「フォローミー」ってのがすごく多かったんですよ。「うるせえな! じゃあお前ら全員フォローしたらどんな気持ちになるんだよ!」って、3万人の限界までフォローしたんですよ。タイムラインも本当に高速で流れるようになって……。でも、中には、友達がいなくてフォローされている人がゼロの人も多いわけですよ。で、つぶやきはすごくたくさんあったりして……。それって池に向かってずっと石を投げている状態じゃないですか。そんな時に僕がフォローするだけで、仮に僕が読んでなくても、僕が読んでいる感があるんでしょうね。本当に感謝される。そして、そのフォローを外した時、ものすごく悲しそうな顔をするんですよ。一度、フォローしてる最中に「やっぱりやめよう」と思ったら、外した人たちから「なんで外すんですか?」「中田さんがいなかったらゼロなんです。私のつぶやきはどこに投げればいいんでしょうか!」って言われて……。そういう人たちが多いんだと思ったら、ガーッと3万人をフォローすることになりまして、その上で、ブロックにおきましては、”カジュアルブロック”というのを推奨してまして。

――中田さんってけっこう優しい……ん? なんです? その”カジュアルブロック”っていうのは?

中田 何気なくブロックしちゃう。流れてくるつぶやきを見て、「僕はこの言い回しはイヤだな」と思うのと、カジュアルにブロックする。

藤森 ぜんぜんカジュアルじゃないけどね! 人に制裁を加えるのが好きなんです。嫌な人!

中田 最近は、自分のことをフォローしてない奴をブロックしてるんですよ。”オリラジ”で検索して、「この人ちょっと違うな~」と思ったら、先んじてブロックしておくんです。そしてその人が2~3年後、何かの事情で僕のつぶやきを読みたいと思った時に、「なぜ読めない?」とパニックになる。そして、「2~3年前のあの発言だったのか!」と気づいて欲しい。ということで、先んじてブロック。僕らはそれをやります。

藤森 僕はそんなことしないですよ!!

中田 最近、ちょびちょび危険な時がありますけど、もう少しであなたも僕にブロックされますよ。

藤森 相方までも?

中田 カジュアルブロックあるよ。気をつけていただきたい。

藤森 ……。
後編につづく/取材・文=小明)

●おりえんたるらじお
中田敦彦と藤森慎吾からなるお笑いコンビ。2004年結成。翌年、「武勇伝」ネタで大ブレーク。以降、数々のテレビレギュラーをこなしつつ、トークライブ活動なども精力的に行っている。11年11月より『おまかせ!アニマックスNAVI』放送中。

●あかり
1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中

オリエンタルラジオ 全国漫才ライブツアー 才(ザイ)

武勇伝だけじゃない!

amazon_associate_logo.jpg

小明の「大人よ、教えて!」”逆”人生相談バックナンバー
【第30回】 大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」
【第29回】 辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」
【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」
【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」
【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」
【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」
【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」
【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」
【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ……」
【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」
【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」
【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」
【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」
【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」
【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」
【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」
【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」
【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」
【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」
【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」
【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」
【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」
【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」
【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」
【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」
【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」
【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」
【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」
【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」
【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

最終更新:2018/12/19 14:59
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真