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原作者なのに取材NG!? 映画『桐島、部活やめるってよ』のPRに作家・朝井リョウが協力できない理由

 不可解な行動の裏には、サラリーマンとしての立場が関係していたというわけだが、それにしても驚いたのは、大学時代にすでに売れっ子作家になっていた朝井が、わざわざ就職していた事実だ。

 朝井は「小説すばる」新人賞を取った時、石田衣良との対談で、両親や姉から「就職はしなさい」と言われていることを明かし、石田からも「就職はしといたほうがいい」とアドバイスを受けている。東宝への就職はそのアドバイスに従ったということのようだが、出版業界には、朝井が二足のわらじをはいていることを心配する向きもある。

「別の仕事をもっていながら執筆を続けている作家は多いですが、ほとんどは売れない作家ばかり。売れっ子がサラリーマンをやり続けるのは大変ですよ。森見登美彦さんも国会図書館の職員を辞めずにずっと二足のわらじでやってきましたが、去年、無理がたたって体調を崩し、すべての執筆を中断してしまいました。しかも朝井さんの場合は、今回のように作品の映像化などで就職先と利害が対立するケースもありますからね。先行きが心配です。就職先を辞めるというだけならまだいいですが、小説家としての活動に支障をきたすことになったら、出版界にとって大きな損失ですから」

 くれぐれも『朝井、小説家やめるってよ』なんていう結末にならないよう、祈っておこう。
(文=須田林)

最終更新:2012/08/24 14:37
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