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道徳崩壊の中国 老人路上放置死亡事件の背景に高齢者犯罪の増加?

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イメージ画像 photo by Gwydion M. Williams
from flickr

 道徳崩壊が問題となっている中国で、「またもや」といった事件が発生した。8月27日、北京市朝陽門付近の交差点で、自転車に乗った老人が路上に転倒。周囲には多くの目撃者がいたにもかかわらず、路上に真っ青な顔色で横たわる老人は放置され続け、その後、死亡したのだ。

 この老人は、現場から30メートルほどの距離にある団地に家族と住んでいる70歳前後の男性で、近所の野菜市場でスイカを買っての帰宅途中だったとみられている。

 老人が転倒したのは朝7時半ごろ。何かにぶつかった様子はなく、真横に突然倒れたという。当時は通勤時間帯で通行人も多く、さらに時間が経過するに従って野次馬も集まってきたが、路上で微動だにしない老人に手を貸そうとする者は誰一人としていなかったという。

 救急車が駆けつけたときには、老人が転倒してから2時間以上が経過していた。路上で強打したとみられる後頭部からの出血は路上で固まっており、老人はすでに息を引き取っていたという。

 多くの目撃者がいながら、瀕死の老人が路上で2時間以上も放置され、ひとつの命が失われてしまうとは、まさに異常事態。ところが、広東省ブロック紙社会部記者は、中国特有の事情をこう話す。

「中国ではこのところ、倒れた老人を助けた人が、逆に加害者として訴えられ、高額な示談金を請求されるという詐欺が横行しているんです。ほかにも高齢者による詐欺や強盗などといった犯罪が頻発しており、老人だからといって、無防備に手を貸せないんです。その背景には、高齢化と福祉の未整備がある。老後の保障もなく、困窮した老人が犯罪に手を染めるケースが増えているんです」

 社会のひずみが人間不信を蔓延させ、人命が犠牲になってしまうとは、もはや皮肉としか言いようがない……。
(文=牧野源)

最終更新:2012/10/10 20:09
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