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「“韓国文化はパワフル”というのはいいことだけではない」『息もできない』ヤン・イクチュンの苦悩

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 2009年、製作・脚本・主演・編集も自ら兼ねた鮮烈な監督デビュー作『息もできない』で話題をさらった、韓国映画の鬼才ヤン・イクチュン。そんな彼が今、『かぞくのくに』(監督:ヤン・ヨンヒ)や『中学生円山』(監督:宮藤官九郎)に俳優として出演するなど、日本映画界での仕事を活発化させつつある。その一環として、山本政志プロデュースの短編競作企画『シネマ☆インパクト』にも監督として参加。来日中の彼に最近の活動、そして韓国と日本の映画界の違いなどについて訊いてみた。

――まず今回の『シネマ☆インパクト』に参加することになった経緯は?

ヤン・イクチュン(以下、ヤン) この企画の主催者である山本政志監督と、偶然このコーヒーショップ(取材場所「カフェ・テオ」。『シネマ☆インパクト』上映館「オーディトリウム渋谷」と同じビルの一階)の前でお会いしたことがきっかけです。僕は映画館で吉田光希監督の『家族X』のトークショーに出演した後だったんですけど(2011年10月22日、渋谷ユーロスペース)、その時に山本さんが撮られた作品のDVDをいただきました。それから一緒にお酒を飲みに行って、しばらくたった後に山本さんから参加依頼のメールをもらって。自分としても、新しい挑戦になるかなと思ってお引き受けしました。

――山本監督のDVDには何が入っていたのですか?

ヤン 『ロビンソンの庭』(86年)と『闇のカーニバル』(81年)と、あともう一本。『ロビンソンの庭』は、とても良い映画ですね。80年代の日本映画は挑戦的で実験的な映画が多い。以前に韓国の日本映画祭で見た『狂った果実』(81年/監督:根岸吉太郎)なども素晴らしい作品だなと感激しました。

――今回の企画で監督された18分の短編『しば田とながお』ですが、日本人の役者で日本語の映画を演出された体験はいかがでしたか?

ヤン 基本的には、普段とあまり変わらないと思います。細かい言葉のニュアンスがよくわからないのは正直ありますが、それは演じる役者本人が一番よく知っていると思うので。演出もいつもと変わらず、カメラも役者もリハなしで本番に入るスタイルでやりました。

――今回の企画には、ほかの日本人監督も複数参加されていますが、ほかの方の作品はご覧になりましたか?

ヤン 実はまだなんですよ。でも、僕は橋口亮輔監督のファンなんです。『ハッシュ!』(01年)や『ぐるりのこと。』(08年)を海外の映画祭で見たんですが、すごく良かった。韓国に輸入される日本映画はまだ数が限られているので、映画祭とか特集がある時に見ています。

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