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「カルトなニッポン見聞録」第5回

カルトな記者会見と自由報道協会

■協会代表がルール無視

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 会見では、記者席に自由報道協会の上杉隆代表もいました。私たちがサイエントロジーの問題点や、自由報道協会がサイエントロジーの記者会見を開催したことの問題点、私たちの記者会見の内容について事実と違う告知を行ったことについて会見で語り、質疑の時間になりました。すると、上杉氏は、

「質問ではありませんが」

と前置きして、延々と自己弁護を始めました。そうかと思うと、私が発言している最中に遮りながら

「はい、いいですか? 今のご発言いいですか?」

などと不規則発言をします。

 協会の記者会見には、いろいろ小うるさいルールがあります。たとえば会見者に質問する人は持論を展開するのではなく質問をしろとか、質問は1人1問だとか、会見者の発言を遮るなとか。

 これらのルールはとても厳格に運用されています。2011年11月の小沢一郎氏の記者会見では、質問をした読売新聞の記者が、小沢氏の返答に納得いかなかったらしく食い下がり、小沢氏の発言を遮りながら何度も質問しようとしました。すると、上杉氏や前出の岩上さんらに取り囲まれ、口汚く罵倒され、その様子をネットで晒されるという仕打ちを受けました。

 ところが私たちの記者会見では、このルールを代表の上杉氏自身が破りまくります。そして、自由報道協会の誰も、このルール違反を制止しようとしません。もちろん、上杉氏を取り囲んで口汚く罵り、吊るし上げる人もいませんでした。

 自らの権利を主張し他者の行動を制限することには熱心で、自らのルール違反と他者の権利を守ることには無頓着。まさにカルトのような独善ぶり。

 今回はカルトそのものをいじるのではなく、カルト的な団体に加担した自由報道協会をいじるという変則的な「いじり」でした。にもかかわらず、気分はすっかり「カルトいじり」です。

■上杉隆氏の記者会見?

 会見での上杉氏の主張の内容も、まるでカルト団体の人と会話しているかのような気分になれるほど、支離滅裂でした。

「自由報道協会の主催の会見の趣旨に対してのタイトルや文言については、自由報道協会に権限があります。主催者側に権限があるのであって、ゲストスピーカーである藤倉さんに文言の権限がありません」(上杉氏)

「であれば、サイエントロジーの記者会見を主催したことに対して、場を提供しただけとはいえない。編集権を持っているのであれば、編集したことに対する責任があります」(藤倉)

「編集権を持った瞬間から責任は発生しますよ。場を貸しただけにならないですよ。ホームページだって、場を貸しただけにはならない」(紀藤弁護士)

 編集権というのは、雑誌等の編集部が表現の内容について他から干渉を受けない権利を指すもので、メディアの「表現の自由」を支える上でなくてはならないものです。しかし「編集権」には「編集責任」が伴います。

 上杉氏はどうも、「編集権」は重要な事実を隠蔽して人々を誤解させても許されるという権利だと勘違いしているようです。

 上杉氏の暴走は止まりません。

「この団体がサイエントロジーとウワサされていることは事前に知っておりました」

とまで言い出したのです。自由報道協会は、サイエントロジー会見の直後、私の取材に対して「サイエントロジーだとは知らなかった」とコメントしていました。なのに、代表者である上杉氏は知っていた。

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