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『図書館戦争』を現実にしないために──

みんなの党・山田太郎参議院議員「表現の自由を大幅に規制する『児童ポルノ法』案に反対します」

■あらゆる手段で政治家に意見を届けることは有効

 山田議員は、高市議員が法案説明を行った、その日のうちに自身のサイトに全資料を公開し、反対の意志を世間に示した。それに対しては、多くの激励のメール・FAX・直筆の手紙、それにTwitterでのRTが寄せられている。そうした中で、今考えるべきは、いかにして「表現の自由」を制限するための法案に変質してしまっている改定案を、法の本来の目的である性的虐待の被害に遭っている児童を守るものへと戻すかということだ。山田議員はいう。

「まず、漫画・アニメの表現規制につながるになる可能性の高い附則の部分に絞って修正を求めていくつもりです。というのも、単純所持と両輪でやろうとすると議論が錯綜してしまいます。第一に漫画・アニメの部分。次に単純所持について議論するつもりです。その中で(条文が極めて曖昧で、何が「児童ポルノ」になるのか判然としない)定義に関する条文も議論することになるでしょう」

 そうした中で、規制強化を危惧する国民にできることとして、山田議員が第一に挙げたのは8月にも予定されている参議院選挙だ。

「この問題を選挙の争点にすればよいでしょう。今回からネット選挙も解禁されますから、国民の皆さんも政治家に、直接意見をどんどん投げかけるのがよいと思います」

 しかし、従来の選挙でもそうであったように「漫画規制反対」は、争点になりにくいのも事実である。そこで、山田議員は、個別の法律の問題として捉えるのではなく、注目が高まりつつある憲法改正問題として、この問題をどうすべきか考えることを提案する。憲法改正問題というと護憲VS改憲の二元論的な物の見方をする人が多いが、実際はそのような単純なものではない。大前提は、これからの国家をいかにするかということ。その上で、改めるべきところは改めるということで個別の中身を議論することが重要なのだ。

「みんなの党でも、憲法の一部を変えようとしています。そのためには、改正したあとにあるものをしっかりと議論していきます。その中で憲法21条にある“表現の自由”を守り抜かなければなりません」。

 さらに、山田議員は今からできる活動として「どんな声でもよいから、政治家に意見を述べる」ことを推奨する。

「政治家は国民の意見を気にするものです。様々な手段を使って政治家にアプローチするのは効果的です」

 最近はTwitterなどネットを活用している議員も多いので、誰もが意見を直接述べることができるようになっている。また、山田議員はFAXやメール、電話といった手段も「迷惑にはならない」そうだ。多くの国会議員は、児童ポルノ法の問題点には気づいていない。そして、安易に「規制してもいいか」と流れてしまうのだ。やはり、本来の法の趣旨を外れた安易な規制が行われようとしていること。なによりも、ことを任せてはならないような人々が法案を推進していることを、気づいてもらう手段として、やはり草の根の手段は欠かせない(もちろん、大前提として正しい知識の学習は不可欠なのはいうまでもない。規制に反対している側は、自分たちがキモワルがられて、忌み嫌われていることを感じるだろうが、その感情を押し出すのは禁忌)。

「法律を変えるのも守るのも人間です。一人一人が声を上げれば政治は変わります」

 と話す山田議員。その、心根はとても熱いと筆者は感じた。

(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2013/05/10 18:38
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