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40年間で1万6,000人が死亡!? 原発よりヤバい中国の石炭発電所が日本の空を汚す

a1380_001084_-1.jpgイメージ画像(「足成」より)

 慢性的な電力不足にあえぐ中国で、目下の課題となっているのが発電所の増設。そんな中、広東省の人口密集地域である珠江デルタでは、22の新規発電所の建設計画が進行中だ。そしてその多くは、中国で大気汚染の原因として問題視されている石炭火力発電所である。

 22の新規発電所が完成すれば、その後40年間で1万6,000人を殺すという驚きの試算が、ある大気汚染調査コンサルタントによって発表された。

 アメリカのPM2.5研究の専門家でもあるアンドリュー・グレイ博士が発表したレポートによれば、1万6000人の死因のうち、脳卒中と肺がん、心臓病が3分の2を占め、さらに1万5000人の児童のぜんそく、1万9000人の慢性気管支炎の発症が予想されるという。

 現在、珠江デルタにはすでに96の石炭火力発電所が存在しており、 発電所周辺住民の間では呼吸器系統の疾患が続出している。2011年だけで3,600人が大気汚染によるとみられる疾患で死亡。4,000人の児童がぜんそくを引き起こしているとされ、 グレイ博士の試算もまったく過大ではないことが分かる。

 それぞれの発電所の排煙処理設備が十分でないことも、健康被害の増加に拍車をかけていると指摘されている。

 これほどまでに危険な石炭火力発電所だが、建設を続ける中国には、背に腹はかえられない事情がある。広東省ブロック紙社会部記者はこう話す。

「中国当局は原発建設を進めているが、その完成を待てないほど電力供給はひっ迫している。そこで、建設コストが安く、工期も短い石炭火力発電所を並行して新規建設している。石炭埋蔵量は世界3位で採掘量は世界一の中国では、発電コストも安上がり。 ただ、高性能な排煙処理設備はコストや工期の面で不利になってしまうため、おろそかにされている。その代償が人々の健康というわけ」

 近年、中国発のPM2.5をはじめとする汚染物質が、日本にまで飛来してきているのは周知の通り。中国の電力供給の代償を日本が払わなければならないとしたら、まったくもって納得がいかない話だ。
(文=牧野源)
 

最終更新:2016/01/27 18:15
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