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週刊誌スクープ大賞

三鷹ストーカー殺人を詳細に伝えた「週刊文春」に事件取材の真髄を見た

 三菱商事の評価欄に「総合商社は日本にしかない業態で海外にライバルはいない」というのがあるが、どうしてそれが高評価につながるのか頷けない。日本特有の総合商社は、企業が内部にそうした機能を持ち始めているから生き残れない、商社冬の時代といわれたのは、そう遠い昔ではない。

 50年後まで生き残ることができる可能性を評価したそうだが、自動車産業も商社も、50年後には消えないまでも衰退している確率が高いと、私などは考えるのだが、いかがだろう。

 第4位もよくあるパターンの記事だが、セクハラには対価型と環境型の2種類あるというところが眼について、取り上げてみた。

 対価型というのは男性の側の性的な言動に対する女性側の対応によって、解雇、降格などの不利益を受けるもの。環境型は男性側の言動によって女性側の就業環境が害されるものをいうと刈谷龍太郎弁護士が説明している。

 対価型はわかるが、環境型では本人に自覚がないことが多いという。たとえば、ワイシャツを直接素肌に着ていて、女性社員に「ワイシャツから乳首が透けて見えるのがとても嫌」と会社にセクハラで訴えられた大手代理店社員がいるというのである。

「会社の壁に水着のポスターを貼っていただけでセクハラと認定されることがある」そうである。

 私が現代編集長時代に「ヘア・ヌード」という言葉をひねり出し、毎号ヘアの出ているグラビアページを女の子に持たせて、校閲などに持っていってもらったことがある。

 当時、アメリカ支社に行って驚いたことがあった。そこの半数以上が女性だったが、週刊現代やフライデーが回覧されるとき、ビニールでくるまれているのである。女性たちの眼に触れるとセクハラで訴えられるからだと聞いた。

 今だったら、間違いなく私は環境型セクハラで訴えられていると、ゾッとしながら読んだ。今の編集部では、ヘア・ヌードのグラビアページをどうしているのだろうか。アルバイトの女の子に運んでもらうときは、袋に入れてしっかりテープを貼ってから渡すのだろうか。

 この記事の中に、電車の中で痴漢! と腕を捕まれたらどうするかというくだりがある。ベストは「振り払ってでも徹底的に逃げる」だそうだが、そう簡単ではあるまい。冤罪だった場合、逃げて捕まれば確実に有罪判決を受ける。痴漢冤罪については、なかなかいい知恵が浮かばないようである。

 第3位にAERAの記事を持ってきたのは、多分に私情が入っているのでお許しいただきたい。

 ここでも以前に書いたと思うが、私は東京の中野区という所に住んでいる。わが家は築50年を過ぎ老朽化甚だしい。おまけに家の前の通りは狭く、救急車は入れるが消防車は無理である。

 だいぶ前、知り合いの建築家に見せたところ、震度3か4の地震が来れば崩壊の危険性大だといわれた。幸い東日本大震災のときの震度5強の揺れにはなんとか耐えたが、震度6~7になれば家もろとも崩れ去る運命かと、半分諦めの境地である。

 だが人間、何かにすがりたい気持ちはいつでもある。今朝のAERAの新聞広告を見て、災害に強い街15カ所の中に中野という文字が見えたので、あわてて駅で買って読んでみた。

 AERAによると、本来的な意味で「住むのに適した」街とは、災害に耐えうる安全性を備え、利便性が高く、快適な暮らしができる街のことで、AERAはこれを「強い街」と名付けたという。

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