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『TVディレクターの演出術 物事の魅力を引き出す方法』インタビュー

「大抵のテレビ番組が嫌い」テレビ東京“鬼才”ディレクターから見た“やらせ問題”とは

――好きな本のジャンルは?

高橋 なんでも読みますけど、どちらかというと、フィクションよりはノンフィクションが多いですね。

――好きな書き手は?

高橋 西村賢太さんは好きです。あの人が書いているのは、ノンフィクション寄りのフィクションですよね。ノンフィクション系の人では、上原善広さん、石井光太さん、佐藤優さんも好きです。社会でタブーとされているところや、あんまり人が光を当てないようなところを変な切り口で切っていったりする人は好きですね。それは『ジョージ・ポットマンの平成史』の作り方と、似てるかもしれないです。

――テレビをほとんど見ないというのは、作り手としては珍しいですよね。

高橋 まあ、よくないとは思いますけどね。でも、普段テレビをつけてる人の割合(総世帯視聴率)は、ゴールデンタイムでも60%ぐらいじゃないですか。だとすると、テレビつけてない人が40%ぐらいいるわけだから、テレビを嫌いな人も結構いると思うんですよね。そこに向けて番組を作っていければいいのかなと思いますね。

――「テレビ嫌いが見たいと思う番組を作る」というのが、高橋さんのモットーだそうですね。

高橋 そうそう、僕の中ではずっとそのコンセプトがあって、なるべくそういう方向に持っていこうとはしています。

――最近のバラエティ番組はテロップやナレーションなどで説明過剰になってきていますが、高橋さんはあまりそういうのが好きではないそうですね。

高橋 あんまり好きじゃないですね。ボケました、ツッコみました、ワッハッハ、みたいなのが、ちょっとありきたりに見えるというか。全部説明しないで、違和感を出してシーンとさせるくらいのほうが好きは好きです。

――見ている人に考えさせる演出、ということですね。

高橋 ちゃんと見てる人は、そういうところも楽しんでくれると思うんですよね。でも、これがなかなか難しくて。こういうのを総称して「センス芸」というんですが、「センス芸を発動させる番組は数字が取れない」という定説がありますね。やっぱりなるべくわかりやすく作って、笑いどころには笑いを足して、つっこんであげると。そういう王道の番組作りをするほうが、数字は取れるんですよ。だから、センス芸を発動させるのは悪だとされる雰囲気はありますけどね。

――最近、『ほこ×たて』(フジテレビ系)でやらせが発覚して番組が打ち切りに追い込まれるという事件がありました。「やらせ」と「演出」の違いはなんだと思いますか?

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