BiS階段のキーマンJOJO広重が、日本の音楽シーン/メディアを一刀両断!
リアルサウンド
――日本の音楽シーンは、JOJO広重氏にどう映っているのか。
JOJO:海外はロックはロック箱(箱=ライブハウス等の会場)、ジャズはジャズ箱で演奏されます。日本では1つの箱でロックもヒップホップもジャズもノイズもやりますよね。そんな良い意味でのカオス感、ジャンク感から新しい組み合わせが生まれると思うんです。SPINのインタビューを受けた時、「非常階段が日本のトップアイドルとコラボできた事自体が凄いね。アメリカでやったらセルアウト呼ばわりだよ!」と言われました(笑)。もちろん僕も非常階段のファン、BiSのファン、初音ミクのファンを失望させたくないので細心の注意を払って作っています。でも、この3つのファンは大方「面白い!」「最高!」って楽しんでくれているようで、そんな聞く耳を持った柔軟な音楽ファンが日本にも沢山いる。これは凄いことだし、日本の音楽シーンはまだまだ面白くなる可能性がありますよ。音楽シーンだけではなく、ビジネスや社会の仕組み全体にいえることですが、視点をずらすことでコラボレーションの妙はまだまだ発見できると思っています。灰野敬二さんが車のCMに出たりとかね(笑)。絶対インパクトありますよ。
――最後に、JOJO広重氏にとってノイズミュージックとは何か?
JOJO:うーん…ドーナツの穴みたいな存在かな。あるけど無い、無いけどある。生きていくのに必要なものではないけど、意味すら無いのかもしれないけど、実は身近な生活に溢れているものでもあるという…。形が無いだけにあらゆる音楽と共存可能だとも言える。僕もノイズを35年やっていますが、まだ分からないし、簡単に分かってほしくないものでもありますね。
インタビューを通して、実はJOJO広重は狂気と好奇心と自尊心、そして客観性のバランスに長けた稀有なミュージシャンであることがお分かり頂けたと思う。昨今のCD不況やライブ動員の活況等、ビジネス面のみが話題にのぼることも多い音楽シーンだが「日本の音楽シーンはまだまだ面白くなる」と断言するミュージシャンがいること、その音楽を受け止めるファンが多くいることを、我々はもっと誇りに思っていいはずだ。
■取材・文=高根順次
スペースシャワーTVのアーカイブサイト『DAX』、ドキュメンタリー映画『フラッシュバックメモリーズ3D』のプロデューサー。BiS階段のライブ演出や企画プロデュースも担当。
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