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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.250

性の悩みは“セックスサロゲート”が解消する!? 映倫も迷ったR18指定の感動作『セッションズ』

sessions_02.jpg重度の障害を持つマーク(ジョン・ホークス)だが、好奇心は人一倍旺盛。いよいよ童貞とおさらばする日がやってきた。

 セックスセラピストに問い合わせたマークは、セックスサロゲートを紹介される。ドキドキ緊張するマークの前に現われたのは、落ち着いた魅力をたたえるシェリル(ヘレン・ハント)。美人でセクシーなだけでなく、大人の女性としての知性と包容力を感じさせる。シェリルは「セックスサロゲートはお金をもらうけど、売春婦ではない」「セッションは6回までしか受けることができない」と説明する。ベッドの上での尊いセッションが始まった。セッションの1回目、2回目はマークがあまりに敏感すぎるため、シェリルに触られたただけですぐに暴発してしまう。なかなか脱童貞を果たすことができないマークだが、それでも裸になって体を触れ合うことが純粋にうれしい。女性の体の柔らかさ、温かさを思い出し、マークはつい涙目になってしまう。

 1999年に49歳の生涯を終えたマーク・オブライエンが文学誌「サン」に発表した記事「On Seeing a Sex Surrogate」をベースにドラマ化した本作。自身がポリオの障害を持つベン・リューイン監督のもとに集まったキャスト陣のアンサンブルが実に見事だ。障害を持ちながらも生きることにとことん貪欲な主人公マークを演じた個性派俳優ジョン・ホークス、成熟したボディをあますことなく見せてくれるオスカー女優ヘレン・ハントの演技は世界各国で高く評価されている。マークに求愛され、怖くなって逃げ出してしまう新米ヘルパー役のアニカ・マークス、後任ヘルパーとして淡々とマークの背中を支えるムーン・ブラッドグッドもそれぞれ好演。「恋人ではない女性とセックスしてもいいのか?」というマークからの質問に対し、聖職者としてではなく1人の友人として回答するブレダン神父役のウィリアム・H・メイシーの存在は、セックスを題材にした本作に笑いと厳粛さの両面をもたらしている。様々な人たちとの出会いに励まされ、マークは38歳にしてセックスという未知の領域に果敢に踏み込む。

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