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麻生泰「カツラ業界裏奇譚」第1回

世に出回る増毛法は“釣り”! カツラは”悲劇の始まり

AGAスキンクリニックを開業し、日夜、育毛治療に取り組む麻生泰氏。かつて自らも着用していたカツラの実害や怪しいビジネスについて、正論・異論・暴論を呈す!

今月の格言
世に出回る増毛法は“釣り”! カツラは“悲劇の始まり”

 カツラはハゲを救わない――これは僕が身をもって経験したことです。

 僕がカツラを付け始めたのは、20代半ばのこと。多くの人がそうであるように、最初は「ヅラなんてかぶったら、一生の秘密を抱えてしまい、取り返しのつかないことになる!」という抵抗感があり、まずは1本の髪の根元に複数の人工毛を結び付ける「増毛法」を試しました。

 ところが、ただでさえ弱くなっている髪の毛に負担がかかり、抜け毛に拍車がかかる始末。床に散乱した抜け毛を見ると、見事に人工毛を結び付けたものばかり。1本いくらの世界ですから、お金を床に捨てたようなもの。そこで業者にクレームを入れると、「待ってました」とばかりにカツラを紹介されたのです。

 つまり、「増毛法」はカツラを売り付けるための”釣り”だったということ。端から「増毛」で満足させる気などサラサラないのです。

 薄毛に悩む人は「髪を増やしてカッコよくなりたい」のではなく、「元の姿に戻りたい」と考える。鏡を見たときに「こんなの自分じゃない」という感覚に悩みます。その感覚は、どんなにカッコいい服を着ても拭えない。それが、試しにカツラをかぶってみると、鏡にはどストライクに思い描いた通りの自分が映る。その魅力に抗えるハゲはいません。

 すぐさま「何かあったとき」のためのスペアを合わせて2着のカツラを購入。業者はそこだけ良心的で、増毛にかかった費用をカツラの購入費に転用してくれるんですよ。でも実はこれが、悲劇の始まりだったんです。

 日本のカツラは優秀で、周りもまさか25~26歳でかぶっているとは思わないから、本当に全然バレませんでした。

 しかし、常に「いつバレるか」とビクビクしながら過ごし、大好きだったスポーツも避けるようになって、休日も家に引きこもりがちになる。だから太って、血流が悪くなり、さらに抜け毛が増える……という悪循環に。カツラに起因するストレスと運動不足は、抜け毛以上に心身を蝕んでいきます。

 蒸れた頭をトイレに隠れてかきむしったり、カツラを留めるピンに挟まった抜け毛に「本末転倒だ」と脱力したりしながらも、一度かぶったら、かぶり続けるしかないんです。散髪しようにも普通の理容院には行けないから、業者が展開する割高なサロンに通うことになり、”維持費”もバカになりません。心にも体にもお財布にも、悪影響を与える三重苦にハマるのです。

 また、すべての地域に、こうしたサロンや、カツラのメンテナンスをしてくれる店舗があるわけではないから、転勤ともなれば家よりも何よりも、まず「この地域に業者はあるのか!?」と大慌てで調べることになる(苦笑)。詳しくは次回以降にもお話ししますが、”カツラ時代”の失敗談は数多くあります。

 と、このような理由で、ファッション感覚で付け外しできるほど開き直った人でもない限り、基本的にカツラはオススメできません。

 また、現在の発毛・育毛業界には、詐欺まがいの業者があまりにも多い。僕が研究した結果によると、シャンプーだけで髪が生えるなんてあり得ないし、広告に散見される「発毛」という言葉など、本来であれば医療機関でなければ使ってはいけないもの。金儲け主義の業者が薄毛というコンプレックスにつけ込み、藁をもつかむ思いの人々から金を巻き上げているんです。

 そして、”薄々”そんなものだとわかりながら、ハゲはお金を払ってしまう……。

 事実、僕は医学生だったにもかかわらず、科学的な根拠など度外視して、「今度こそ効くんじゃないか」と、高額なシャンプーを買っていましたから(笑)。

 さて、この連載では、今では笑い話になっている僕自身の失敗談と共に、腐りきった業界の真実も伝えていきたいと思います。

「正しい治療を行い、効果を上げている自分が儲かるべきだ!」という考えもなくはありませんが、何よりも、悲しい思いをする同志をひとりでも減らしたい、というのが偽らざるところ。全6回、是非お付き合いください。

(構成/橋川良寛 bluepoint)

麻生 泰(あそう・とおる)

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1972年、奈良県出身。AGAスキンクリニック総括診療部長。東京美容外科統括院長。大阪医科大学形成外科にて研修医終了。大手美容外科で院長、診療部長を歴任後、東京美容外科を設立。また、AGAスキンクリニックの設立にもかかわり、統括診療部長を兼任する。自身の薄毛に悩み、治療方法を模索・研究し、現在の治療法を確立した。

AGAスキンクリニック

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薄毛で悩んだ麻生医師が、自ら開発し効果を実感した発毛治療を受けることができる院は、全国のAGAスキンクリニックをはじめ、東京美容外科メンズ専科、東京ビューティークリニックなど、全国26院(2013年12月現在)。さらに今後も拡大予定。
ご予約・ご相談はTEL:0120-2323-48
URL〈http://www.aganavi.jp/

AGAとは?
Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のこと。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられている。現在、全国で1260万人ほどいて、そのうち気にかけている人は800万人、何らかのケアを行ったことのある人は650万人だという。

最終更新:2013/12/19 16:00
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