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週刊アニメ時評 第57回

『アイカツ!』のステルスしないマーケティングに感服! クリスマス商戦の堂々たるグッズプロモーション!

 言ってみれば、『アイカツ!』は今回のエピソードにおいて30分丸ごと使って「クリスマスケーキ」のプロモーションをやってのけたわけです。そこを一切隠すつもりを感じさせない一方、ちゃんとお話としても面白いっていうんだから、スタッフのプロフェッショナルな仕事ぶりに脱帽です。

 いや~、これを見たら全国の女児先輩(アイカツおじさんに対して、『アイカツ!』をたしなむ女児の皆さんのことをこう呼ぶそうです)も、「お母さん、買って!」コールを言わざるをえないでしょう! 正直、僕も一瞬「予約しなくちゃ! いちごたん!」と思っちゃいました。もちろん『アイカツ!』カードもついてくるそうです。

 実は、このエピソードを最初に見た時は、「また一部のアニメファンが、ステマうんぬんと騒ぐんじゃないか?」と気になってしまったのですが、ネットの反応を見てみると、多くの視聴者が全然ステルスしていないマーケティングぶりを逆に楽しんでいる様子。「ほら、楽しいでしょう!」「これ、欲しいでしょう!」という、非常にあっけらかんとした作品での扱われ方が功を奏したといえるでしょう。そういえば、現在放送中の『ガンダムビルドファイターズ』も延々とガンプラの宣伝をしているようなもんですが、視聴者の反応はかなり好意的です。

 どちらの作品にも共通しているのが、売りたいグッズを「買え!」と押し売りするのではなく、作品を楽しんだ延長上にグッズ購入をさせる、というよく考えてみたら当たり前の要素なのではないでしょうか。僕たちはグッズを買うためにアニメを見ているのではなく、アニメを見て、その世界をもっと楽しみたいからグッズを買うのです。

 そんなわけで、『アイカツ!』第62話は、なぜここまで多くの人々に作品が受け入れられているのか、好意を持って受け取られるタイアップとはどういうものなのか、を少しだけ感じることのできた、色々な意味でインパクトの強いエピソードだったといえるのではないでしょうか?
(文=龍崎珠樹)

最終更新:2013/12/25 11:42
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