日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > “キャラクタードラマ”の歴史
テレビウォッチャー・てれびのスキマのブックレビュー

6人の人気脚本家からひも解く、テレビドラマの歴史と魅力『キャラクタードラマの誕生』

 キャラクタードラマとは、「人間」を描くための手法にすぎない。現在、現実世界でも僕らはお互いに「空気」を読み合いながら、なんらかの「キャラ」として振る舞うことを要求されている。だとするなら、強固なキャラクターを中心に据えてドラマを描くことは「現在」を描くことにほかならない。

 また、本書は初めてのテレビドラマが『夕餉前』というホームドラマであったことが象徴するように、極論すれば日本のテレビドラマの歴史は、実はホームドラマ(アンチ・ホームドラマ)の歴史であるという、目からうろこの事実を指摘。それを描く手法が「人間ドラマ」「トレンディドラマ」、そして「キャラクタードラマ」に変遷していったにすぎないことを丁寧に解き明かしている。

 テレビドラマは、ずっと日本のお茶の間を描いてきた。かつては、それを家族で、お茶の間の食卓を囲んで眺めていた。そして現在、SNSなどにより、新たな“お茶の間”ができ上がった。よく「インターネットはテレビの敵」のような言説がある。しかし、そうではないはずだ。僕たちは、インターネットによって生まれた「バーチャルなお茶の間」で、馴染みのあるキャラクターたちを見守っている。「キャラクタードラマ」の誕生とSNSとの出会いは、そんなテレビの原風景を取り戻したのだ。
(文=てれびのスキマ<http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

最終更新:2014/01/15 12:59
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真