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週刊アニメ時評 第60回

超豪華エンタメ作からヤマカン最新作まで! 2014年冬クール“極私的”おすすめアニメ

■『みんなで集まれ!ファルコム学園』
 すみません。僕、日本ファルコムのゲームが大好きなんです。『イース』シリーズやら『英雄伝説』シリーズやら、日本ファルコムのゲームキャラたちが集まってドタバタやってるだけで満足なんです。ストーリーとか作画とか、そういうのはどうでもいんです。リリアが、エステルが、ティオが毎週動いてしゃべって、何かワチャワチャやってるだけで感無量なんです。そんな僕らのための作品です。ま、2分枠アニメなんで多くを求めてもね。

■『となりの関くん』
 今期のベスト花澤さんアニメです。毎回、授業中に隣の席で予想外の行動を取る関君に対し、花澤香菜演じる横井るみがすさまじいテンションでツッコミを入れまくる姿は、それだけで笑えます。

 また、エンディングテーマ「Set Them Free デスクトップドラムver.」では、カシオペア、熱帯JAZZ楽団で知られるドラマー・神保彰がドラム演奏で参加。関君のコスプレをした神保が、実際に机の前に座り、この曲に合わせて筆箱や茶わんなどを叩いている姿が自身のFacebookで公開され、大きな話題を呼びましたが、とにかく遊び心あふれる本作。一日の最後に、何も考えずゲラゲラと笑えることをお約束します!

■『WakeUp,Girls!』
 いろいろな意味で世間に話題を振りまく、ヤマカンこと山本寛監督の最新作です。内容は、東北を舞台にしたローカルアイドルの活躍を描く、といったもの。アイドル物アニメというと、すでに飽和状態と思われていましたが、ヤマカンはどこまでも泥くさく、リアルな「芸能」の姿を描こうとしています。社長の資金持ち逃げから始まり(その後、なし崩し的に元のさやに戻りますが)、スーパー銭湯での水着ライブ&接待、パンチラをも辞さないライブ……。とにかく華やかではなく、露悪的なまでに泥くさい芸能の世界が描かれます。

 正直、最初は冷やかし半分で見ていたのですが、第3話まで見た時になぜか感動し「もっと見ていたい」と思っている自分がいました。本作の魅力はどこにあるのでしょうか?

 なんの武器も持たず、ビジュアルという時限式の資本だけで芸能界に飛び込んだアイドルたちは、毎回さまざまな「現実」と直面します。芸能界という「現実」、自分たちの知名度という「現実」、男性が自分たちをどう見ているのかという「現実」、そして震災以降の東北という「現実」……。と同時に、そういったシビアでリアルな現実の中で、少女たちは誰かにとっての希望かになれるかもしれないという、自分たち自身の「希望」に気づいていきます。

 そういう「少女たちの目覚め」を描こうとしている本作は、ファンがアイドルに何を期待しているのか。アイドルを求める我々は、何に絶望し、何に希望を抱いているのかを浮き彫りにしてくれるのかもしれません。そういったリアルなドラマと、地に足の着いた感動が本作の魅力なのではないでしょうか。

 ただ、残念ながら本作が大ヒットに至ることはないかもしれません(だって、作画面が絶望的にダメダメなんです……。これは致命的!)。しかし、だからといって「ダメアニメ」の烙印を押すには惜しすぎる……。本作が内包するテーマとドラマ性に、一抹の期待を感じずにはいられません。

***

 以上、勝手に思うままに書きなぐってみました。ほかにもこんな面白い作品があるよ! という方はぜひ教えてくださいね! ではっ!
(文=龍崎珠樹)

最終更新:2014/01/29 11:15
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