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『芸人マジ歌選手権』で再注目――ドリフターズからマキタスポーツに至る“芸人と音楽”の歴史

【リアルサウンドより】

 テツandトモが2月26日(水)にリリースするシングル『桜前線』が、笑いの要素一切なしの「マジな歌」だと話題を呼んでいる。また昨日、マキタスポーツが、テレビ東京系で放送中の『ゴッドタン』の企画である「芸人マジ歌選手権」から生まれたユニット「Fly or Die」で、配信シングル『Virgin Marry ~聖母マリア~』を約100カ国で、楽曲配信リリースすることが決定した。この他にも、ダイノジ大地が率いる豊満乃風がいくつかの音楽フェスに出演をするなどしている。

 最近、このように芸人が音楽に関わるケースが目立っているが、そもそも芸人と音楽には密接な関係がある。ここではその歴史についてひも解いてみたい。

 芸人が歌を歌ってヒットするというのは1960年代のクレイジーキャッツ、1970年代のザ・ドリフターズがその先駆けである。1980年代にはバラエティ番組発信のものも多く、『欽ちゃんのどこまでやるのか?』から生まれたわらべや、秋元康が手掛けたとんねるずの『雨の西麻布』などがヒットした。これらはいわゆる「ノベルティソング」と呼ばれ、速水健朗の著書『1995年』によると「本業ではないという『なんちゃって感』や、お笑いであることの『申し開き感』といった、ギミックの要素」があるとされ、これらの要素はノベルティソングの武器であり特徴でもあった。しかし、1990年代以降、この流れは大きく変わることになる。

 1995年に結成された、小室哲哉プロデュースによるダウンタウンの浜田雅功のユニット「H Jungle with t」は、同年にリリースされた『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント』で、芸人が出した楽曲としては最高売上となる、200万枚を超す大ヒットを記録する。先述の『1995年』によると、この曲に関しては「ギミックの要素が感じられない」とされ、ストレートな表現とサウンドは、まさに当時のJPOPの本流に乗ったものであり、歌詞もいたって真面目な応援歌だった。

 このムーブメントをきっかけとして、ウッチャンナンチャンのバラエティからデビューしたポケットビスケッツ、ブラックビスケッツや、『進め!電波少年』からデビューした猿岩石、とんねるずのバラエティで結成された野猿が次々とヒットチャートを席巻する。このような「テレビ番組発の企画ユニット」の流行はアイドル文化にも飛び火し、テレ東系列の『ASAYAN』では、シャ乱Qのオーディションの落選組を束ねたモーニング娘。が企画の中で誕生した。1990年代後半は、バラエティ出身ながら、ストレートにJPOPをやるグループの時代だったといえよう。

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