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週刊アニメ時評 第62回

リア充アニメ『ゴールデンタイム』が突きつける、アイデンティティ問題

 物語も後半に突入した現在、今まさに香子と恋人関係にある万里はリンダが好きだったという過去の記憶と対峙することになりますし、ほかのキャラクターも過去とどう向き合うか、という描写に物語の比重が置かれていきます。過去と現在の相克こそが本作のテーマと捉えるならば、我々視聴者もまた本作を見ることで、否応なくその物語のテーマと向き合わされているのです。一見ただのリア充ラブコメと思わせておいて、ズシンとヘヴィなアイデンティティの問題を我々視聴者に突きつける本作の構成力と描写力は、タダモノではありません。

 一本のエンタテインメント作品でありながら、視聴者を巻き込んで考え込ませる問題作『ゴールデンタイム』。その行く末は見逃せません。
(文=龍崎珠樹)

最終更新:2014/02/18 18:00
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