日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 大吉「若手よ、この本を読め!」
『年齢学序説』文庫化記念インタビュー

博多大吉が叫ぶ「(この本を読んで)若手芸人よ、大志を抱け!!」

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――「若い子がテレビを見ない理由」。世代間で話題を共有できていないと。

大吉 その、(テレビに出てくるネタの世代間格差の)集大成みたいな本ですよ、これは。

――この本で、若い子たちに知ってほしいという気持ちはありますか?

大吉 いや、同世代で趣味も僕と合う人が懐かしがって読んでくれたらいいです。若い子が知る必要のない情報が山盛りですからね。

――そうは言っても、普遍的なアドバイスをさりげなく忍ばせてますよね。たとえば、「妥協すること」と「諦めること」の違いとか。

大吉 僕は「前向きな撤退」っていう言葉が大好きなんです。妥協するっていう自覚は持ちにくいかもしれませんが、ちょっとずつ目線を下げていく……それは「諦める」こととは違う。

――今、NSCに入学する人が年に2000人いて、その割には出ていける場所は少ない。芸人を続けていこうか悩んでいる人に相談された時、大吉先生はどんな言葉をかけるんですか?

大吉 相談されたら、「辞めたら?」って言います。でも、相方は「絶対辞めるな!」としか言わない。だから、どっちに相談するかです。今ね、40歳付近で固まってしまってるじゃないですか。この世代、強すぎるでしょ。MCにもいるし、ひな壇にもいるし。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の年間大賞とか、あれだけ芸人がいて、一番若手が品川君(品川庄司)ですよ。そりゃあ、20代30代、出てこれないですよ。

――まるで自民党の議員みたいです。

大吉 そんな中、パンサーとかジャンポケとか頑張ってますけど……数が違う。この城は、なかなか落とせないと思いますよ。

――その40歳周辺の芸人さんたちがテレビにも出て、毎年ライブもやって、自分たちでネタも書いて……もっと調子に乗ってくれないと、若手の出番がないのでは?

大吉 僕たちも、月イチで新ネタを作るようにしてますね。浮かれられないんです。吉本はギャラが安いとはいえ、おかげさまでここまで働いていればある程度はもらえるので、遊ぼうと思えば遊べるんですけど、やっぱりダメですね。

――それは恐怖感ですか?

大吉 どんどん年を取ってますからね。もう44ですよ。じっとするのが怖い。華丸さんが結構ね……僕はまだ咀嚼しきれてないんですけど、華丸さんがいま変な面白さを出しているんですよ。フツーの一言が、めっちゃウケたりするんです。それはそれですがりたいんですけど、怖いんです。よく分かってないから。長いこと一緒にいすぎて、華丸さんの何が面白いのか、よく分からなくなってきてる(笑)。自分が作ったネタを演じてもらってなら、理解できるんですけどね。「今日は寒かね~」でドカーンとウケたりする。

――すごい、金脈ですね。

大吉 ただ、これ以上埋まっているのかなという不安もありますよ。そこに頼っちゃうと、実は泥でしたっていうこともあるかもしれないので。

――そういう用心深いところが、大吉さんが「先生」と呼ばれるゆえんなのでしょうか?

大吉 僕らは変に年を取ってる後輩芸人なので、雨さん(雨上がり決死隊)に気を使っていただいてるだけですよ。僕のことは「先生」で、華丸さんは「岡崎さん」。それを見て、周りの芸人さんたちもそう呼んでくれるようになったので、ありがたいですね。

――やはり『アメトーーク!』での「博多華丸・大吉芸人」は大きかったですか?

大吉 あれは、僕らの中ではゴールだったんです。これでいつでも福岡に帰れるし、あとはもう言ってみれば余力というか。行けるところまで慣性の法則で行こうみたいなノリでした。実際、あれで爆発的に仕事が増えたわけでもないですし。それより、ちゃんとしたマネジャーがついてくれたことのほうが大きいかもしれません。

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