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Kis-My-Ft2、CDセールス20万枚超の背景 ジャニーズ若手における“実験”の場に

 そして、注目したいのは4位の前田敦子のシングル『セブンスコード』。昨年末にロックフェス「COUNTDOWN JAPAN 13/14」に初登場した際に披露した曲だ。その時のレポート原稿にも書いたが(参考:前田敦子が凄腕バンドと共にCDJ登場! ロックフェスの客は彼女をどう受けとめたか)、実力派のミュージシャンを従えた編成で鳴らすこの曲は、普段彼女のライヴをあまり観る機会のないだろうフェスの客にも、好意的に受け止められていた。映画『Seventh Code』主題歌となったこの曲はいわゆる「ロック路線」の楽曲で、方向性はオーセンティックなアメリカンロック。4月にはZepp TokyoとZepp Nambaで単独ライヴも予定されており、女優業が本格化するなか、歌手としての方向性も徐々に定まってきているようだ。

 一方、前週に初週売り上げ109.1枚となり1位を獲得したAKB48『前しか向かねえ』は、今週も6位を記録。こちらは先日に卒業を発表した大島優子の最後のセンター曲だ。こちらもいわゆる「ロック路線」なのだが、これはいわゆる「青春パンク」を彷彿とさせる曲調。メジャーコードのシンプルなコード進行にわかりやすいメロディ、8ビートのリズムにストレートなギターが配され、ブルーハーツ「リンダリンダ」やMONGOL800「小さな恋のうた」の系譜に連なるような楽曲になっている。

 同じタイミングで発売された2曲を聴き比べると、同じ8ビートのロックチューンでもかなりテイストの違いが見て取れる。アレンジやミックスの方向性も異なっている。端的に言えば、前田敦子『セブンスコード』のほうが“大人”なイメージ。バックの演奏にも聴かせどころのある「本格派」のテイストだ。ただ、前田敦子の新作のセールスは前作シングル『タイムマシンなんていらない』より約2万枚少なくなっている。代表曲となるべきシングルでのセールスの低下は気になる点でもある。

 本体もさることながら、初期を支えた人気メンバーが次々と卒業し、その後のキャリアを成功させられるかどうかにも注目が集まるAKB48。少なくとも、今年の前田敦子、大島優子の活動はその試金石となると言っても過言ではないだろう。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

最終更新:2014/03/19 09:00
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