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田原総一朗夫人を看取った主治医が監修——“がんに不安を感じた”人、必読の書『がんに不安を感じたら読む本』

 本書ではカットされてしまったが、本荘さんも実際は髪の毛からまつげまですべてが抜け落ちてしまう脱毛を経験。ウィッグ(かつら)を専門店で購入した。

「でもそのときにおかしなエピソードがあって。のちに結婚した男性と一緒に行ったのですが、彼がお茶目心を出して見本のかつらをかぶって見せて、お店の人に呆れられたんです(笑)。ほかにもがん闘病中のことって、微笑ましい思い出もいろいろあって、9カ月間仕事を休んでいる間に、抗がん剤の投与のスケジュールの合間を縫って、フィリピンのセブ島のリゾートホテルに海外旅行に出かけました。ミュージカルを見たり、時間がなくて読めなかった本をまとめて読んだり、毎日仕事に追われていた頃にはできなかった経験もできました。この本を読む人も、がんになったらどういう闘病生活を送りたいか、事前にイメージしておいてもいいかもしれませんね」

 さらに、本書では、本荘さんががん闘病後に妊娠・出産を経験するエピソードも詳しく書かれている。いまは7歳の女の子の母として、家庭も仕事も生き生きとこなす本荘さん。いまがんに直面している人はもちろん、いまは自分とは直接関係ないと思っている人も含めて、ぜひこの本を読んで、いつか来るかもしれないその時に向けた前向きな姿勢を手にしてほしい。

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●本荘そのこ(ほんじょうそのこ)
1969年北海道札幌市生まれ。法政大学大学院経済学研究科経済学専攻修士課程修了。地方新聞社、法律事務所勤務などを経て、98年から女性誌記者として活動。2004年に乳がんが発見され、約9カ月間にわたって治療を受ける。05年に結婚し、06年に出産。現在はフリーライターとして、取材・執筆活動を行う。

最終更新:2014/03/21 18:00
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