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もはや海水を飲むしかない中国 日本での水資源獲得も、さらに活発化!?

a0002_006359.jpgイメージ画像(「足成」より)

 増大を続ける人口の一方で、水不足の危機が高まっている北京市が、海水を飲料用に淡水化する施設の建設を発表した。2019年をめどに、1日100万トンの海水を淡水化する能力を持つ工場を、隣接の河北省唐山市に建設するという。


 世界でも離島や降水量の少ない地域では、海水を淡水化した水が飲用されているが、1000万人を超える大都市では例を見ない試みである。

 ちなみに、北京市の地下水位は1998と比べて12.83メートル下がっており、地下水量は65億立方メートル減少している。さらに、03年に同市に設けられた応急水源地の地下水位も、当初の10メートルから40数メートルまで下降しており、取水能力が半減している。

 ところが、工場の建設費用は1000億円以上になるとみられ、送水管敷設費用などを合わせると、このプロジェクトには約2700億円もの巨費が投じられる見込みだ。

 こうしたコストは市民へと跳ね返ることとなり、北京市の水道料金は現在の2倍になるという試算も出ている。問題はコストだけではない。海水の取水源となる渤海沿岸は工業地帯となっており、工業廃水による汚染が深刻な海域として知られているのだ。

 市民からは「高くて汚い水を飲まされる」という批判も出ているが、反対の声は漁師からも上がっている。海水の淡水化の過程で生じた高濃度塩水が海に排出されれば、海域の海洋生態環境に悪影響を与えるという指摘も出ているからだ。

 まさに苦肉の策。ここ数年、日本でも水資源獲得が目的とみられるチャイナマネーによる土地買収が確認されているが、そうした動きも今後活発化しそうだ。
(文=牧野源)

 

最終更新:2014/05/01 18:00
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