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卒業発表の道重さゆみに見る、アイドルがブレイクに至る”物語”の重要性

 モーニング娘。’14(以下、モー娘)の道重さゆみが4月29日のコンサートにて、同グループを今秋のツアーを最後に卒業することを発表した。道重は2003年にモー娘の第6期メンバーとして加入し、2012年からは8代目リーダーとして活躍してきた、グループの重鎮。歴代メンバーの中で最もグループ在籍期間が長い、モー娘を象徴するメンバーといっても過言ではない存在だ。

【リアルサウンドより】

オリコン1位を連発できた理由

 道重自身の注目度もさることながら、最近はモー娘本体の活躍も目覚しい。一時期はメディア露出が減っていたが、シングルが5作連続オリコン1位を獲得したり、auのCMに出演したりと、”再ブレイク”を果たしたと報じるメディアも増えている。この再ブレイクの動きのきっかけは、やはりオリコン1位の連発にあるだろう。首位を獲得することでそのこと自体がプロモーションに繋がり、「モー娘健在」を世にアピールすることに成功した。そしてこのオリコン1位を取ることができた理由としては、個別握手会やチェキ会などの”接触”商法に力を入れたことが大きい。

 今やライブ系アイドルにとって当たり前となっているこの接触商法についての是非はここでは問わないが、もちろん、話題性だけでは再ブレイクには至らなかっただろう。つんく♂の楽曲は、EDM路線に舵を切っても高いクオリティーとオリジナリティを誇っていたし、アイドルの中でも卓越したモー娘のパフォーマンスは「フォーメーションダンス」というキーワードを得て、分かりやすく新規のファンを取り込むことができた。

 そして更に重要なポイントは、そこにファンやメディアが乗ることのできる「物語」があったということだろう。

アイドルがブレイクするための”物語”の重要性

 この物語を端的に表現すると「打倒AKB48」「かつての国民的アイドルが再び頂上を目指す」といったもの。そしてこの物語の中心に、今もいるのが、道重だ。

 道重はモー娘の人気が落ち込んでいた頃にバラエティ番組で個人で活躍することで、グループの存在を世間へとアピールし続けていた。毒舌キャラを浸透させ、雑誌などの「嫌いな女性芸能人ランキング」の上位の常連になろうとも、それを徹底して続けた。結果、「モー娘の他のメンバーは分からないが、道重さゆみだけは知っている」というライトなファン層を広く獲得、今の状況へと繋げることができた。コアなファン層やライトなファン層、そしてモー娘を報じるメディアも含め、道重を中心とした「再ブレイク」という分かりやすい物語に引っ張られ、あるいは乗っかることができた。PerfumeやAKBやももいろクローバーZも、路上ライブから、あるいは客が数人のライブからの成功を目指すという、浪花節的な物語が多くの人を惹きつけ、メディアで紹介される際にキャッチコピーのように使われていたが、アイドルのブレイクには、そうした「物語」が重要な役割を担うことが多い。

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