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アメリカ育ちのBENIは、J-POPにどうアプローチしたか?「日本の曲は洋楽に比べてポエティック」

「日本とアメリカのカルチャーをミックスしたハイブリッドなものを、私の音楽を通して作りたい」

――今年は、BENIさんにとってデビュー10周年です。これまでの音楽活動の中でターニングポイントとなった出来事はいくつかあったと思いますが、一つ挙げるとするならば?

BENI:童子-Tさんとコラボしたことは大きかったです。初めてコラボしたのは「もう一度… feat.BENI」の一年くらい前に、彼のアルバムに1曲参加した時でした。そのきっかけもミラクルで、彼の子どもが、私が歌っていたディズニー・アニメの主題歌を聴いて、「すごくいい声だ」って私のことを調べてくれたんです。だから今までのヒストリーが全くないまま、素直に声を気に入ってくれたことでスタートしました。運命的な出会いでしたね。私は元々R&BやHIPHOPが大好きなので、フィーチャリングものを当たり前のように聴いてきたんですけど、日本って、「デュエット」はあっても「フィーチャリング」はそんなになかったじゃないですか?「フィーチャリング」はHIPHOP的なスタイルだと思うので、やっと日本でもブームになって、単純に嬉しかったですね。

――特にアメリカでヒップホップの流れを汲んだR&Bが盛り上がった90年代から00年代にかけて、BENIさんはそれらを現地で聴いて育ったわけですよね。そうした音楽体験を持ちつつ、日本のシーンの中でどうやっていくのか。葛藤もあったのでは?

BENI:小学校の頃からTLCジャネット・ジャクソンメアリー・J.ブライジ、アリーヤとかを聴いてきました。日本の小学生が聴くには大人っぽいかもしれませんけど、アメリカではそれが普通にラジオで流れていたから。日本でやる以上、もちろん言葉も違うし、全然違うカルチャーなだけにみんなが求めているサウンドも違います。日本に帰ってきてJ-POPに初めて触れて、その良さを感じました。私の中では両方のカルチャーがフィフティー・フィフティーにあるからこそ、それをミックスしたハイブリッドなものを私の音楽を通して作れたらな、とずっと思っていました。それはカバーをやったときにも全く同じで、「どうせカバーをやるんだったら自分らしいスタイルでカラーを取り入れてやりたい」と思いました。やっぱりバイカルチャーの融合っていうか。

――カルチャーの融合という意味で言うと、アメリカでも生活をしていたBENIさんから見て、J-POPの良さはどんなところでしょうか。

BENI:メロディですね。J-POPは日本語の歌詞を理解できない外国人が聴いても、切ない曲は切なく聞こえると思うんですよ。メロディで気持ちを動かす独特なものを持っていると思います。だからこそ、それを『COVERS』の制作の時に感じました。実際に英語で歌ってもやっぱりいい曲なんだな、と思うのは、メロディにソウルがあるというか、メロディアスなんですよね。ただ、ゆるくフロウするんじゃなくて。そこが一番の魅力だと思います。英語ってすごくフロウな感じがするんですけど、J-POPはいい意味で波があって、エモーショナルですよね。

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