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MC漢ら、レーベル始動会見でBEEF宣言も 宇川直宏「ミュージックビジネスに風穴開ける動き」

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ライブパフォーマンスを披露するD.Oら。

 また、DARTHREIDERは『ULTIMATE MC BATTLE』について、「僕は毎年出ていて、負けたらバックステージレポートとかの仕事をしていた。それぐらい入れ込んでいる大会で、それこそPRIMALとかTAB001がフリースタイルして剥き出しのところを見ているから、これは持ち主の漢のところに返さなきゃいけないって思っていた」と、大会は改めて漢が主催すべきだと主張するとともに「全国のラッパーが頂点を目指す大会は必要。(中略)今、高校生ラップとかもやっているけれど、彼らが挑戦する大人の大会がちゃんと運営できていなければ先細りになってしまう」と、イベントの重要性を改めて指摘した。

 また、イベントの最後にはDOMMUNEの主催者である宇川直宏氏が「今回の話っていうのは、ヒップホップだけじゃなくて。昭和の時代から続いてきた音楽のクリエイティブ・メディア全般に対して言えること。かつてレコードをリリースする場合、特権性がある立場の人がアーティストを抱えてリリースするっていう文脈があった。で、インターネット以降はミュージシャンが独自にリリースして、フックアップしたい人がそれを購入するというエネルギー循環ができてきた。(中略)リスナーとの直のコミュニケーションスタイルがきちんと確立されて、中間搾取がなくなった時代だと思うんですよ。中間搾取の話っていうのは、深く考えたら、演歌のドサ回りしていた演歌歌手が、場所代とかを払うようなもので、テキ屋文化だったと思うんですよね。で、そういう中間搾取業者がエネルギーをせき止めていて、アーティストが飼い殺しにされたりする。歌っても著作印税は入ってこなくて、ただ自分自身が存在しているっていうことの表明だけ。そういう歴史が長くあった。(中略)漢さんがDOMMUNEに出てくれた時のインタビュー(参考:ele-king「ヒップホップ・ドリーム・アゲイン」)の中で、『やっぱりプレイヤーがレーベルをやらないといけないだろう』っていう発言があったんですけど、これ、すごい説得力があるなと。今後は、プレイヤーへのリスペクトがレーベルに反映していく時代だと思うんですよね。だから漢さんが今回立ち上げた鎖グループの方法論っていうのは、まったく正しいと思うし、今後のミュージックビジネスに風穴を開ける歴史になるんじゃないかな」と、漢らの試みに期待を寄せた。

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フリースタイルでLibra Recordsへの怒りを表明する漢。

 日本のヒップホップ史上、類を見ない会見となった『9SARI OFFICE SPECIAL~鎖グループ&BLACK SWAN公開記者会見~』。鎖グループとBLACK SWANが今後、どのような活動を展開していくのか。そして漢らの訴えに対し、Libra Recordsはどう対応するのか。「リアルなラップ」をルールとして掲げる漢らだけに、作品とともにその動向を注視していきたい。

(取材・文=松田広宣)

最終更新:2014/06/06 09:00
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