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ハリウッドのヒットメーカー、ダグ・ライマン監督インタビュー

これってトム・クルーズ版『時をかける少女』!? 日本のライトノベルが製作費178億円の超大作に

allyouneed_01.jpg異星人と繰り広げられる過酷な戦場に放り込まれたケイジ(トム・クルーズ)。強化スーツを使いこなす余裕もなく瞬殺されてしまう。

──ハリウッド超大作だけど、インディペンデント精神が込められているということですね。

ダグ そういうことだね。トムは僕とは違う世界の住人だと思っていたんだけど、今回はいい作品をつくるためにお互いをリスペクトし合うことで、素晴しいコラボレーションになったと思うよ。今回、トムからはいろいろと学んだ。彼は脚本づくりの段階から、「このシーンのこの台詞は、日本語字幕になったときどうなる?」なんて尋ねてくるんだ。翻訳されることでユーモア感覚がうまく伝わるのか、字幕に目がいって大事な瞬間を見逃さないかといった細部まで、彼はすごく気を配っていたんだ。僕も映画を撮っている際に「僕の友人はこのシーンを観てどう思うかな?」とよく考えるけど、僕の頭に浮かんでいる友人の数は10人程度。その10人を楽しませるために、僕は映画をこれまで作ってきたわけなんだ(笑)。でもトムは違った。トムは1億人以上いる日本人のことを常に意識しながら映画を作っていたんだ。これは僕にはまったくなかった発想。彼との共同作業は大変な刺激になったよ。

■メジャースタジオの上から目線な態度はスルーせよ

──トム・クルーズがメジャー中のメジャーである理由を、間近で知ったわけですね。インディペンデント出身監督の多くはメジャーシーンで自分らしさを失いがちですが、ダグ・ライマン監督は『ボーン・アイデンティティー』を大ヒットさせて以降、確固たる道を歩んでいる。ダグ監督がハリウッドでサバイバルできている秘訣を教えてください。

ダグ ハリウッドで生き残る秘訣……、僕の場合で言えば「メジャースタジオを恐れない」ということかな。僕は『スウィンガーズ』みたいな変わったインディペンデント映画を撮るのが本当に大好きなんだ。だから、メジャースタジオが「あーだこーだ」と口を挟んでくることを気にしない。メジャースタジオの上から目線な態度は、いつもスルーしているよ(笑)。そんなの物づくりの現場には必要ないからね。僕はメジャースタジオを恐れない。だから、彼らは僕をコントロールできないってわけさ(笑)。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は僕がこれまでやったこともないような超大作だけれども、『スウィンガーズ』を撮っていた頃と同じような情熱とディテールへのこだわりをとても大事にした作品だよ。

──出資者の顔色をうかがっていては、面白い作品は作れないということですね?

ダグ メジャーのスタジオシステムに呑み込まれるな、ということだね。彼らは「オリジナリティーの強い作品を愛している」と言う一方で、オリジナリティーの強すぎる企画を恐れているんだ。だから本当にオリジナリティーのある作品をハリウッドで作ろうとするなら、メジャースタジオを恐れることのない監督を起用せよってことだよね。今回はワーナー・ブラザーズ作品になるわけだけど、メジャースタジオの中にあって、ワーナーは数多くのインディペンデント系の映画監督たちを起用してきたと思うよ。アルフォンソ・キュアロン監督の『ゼロ・グラビティ』(13)や、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』(08)や『インセプション』(10)もワーナー作品だしね。

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