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豊田道倫+カンパニー松尾が語る、2014年の言葉と音楽「皆のモヤモヤしたエネルギーを感じる」

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 豊田道倫が10年ぶりの弾き語りアルバム『SING A SONG 2』を8月6日にリリースする。1日で28曲を録音した2004年の2枚組アルバム『SING A SONG』の続編となる同作は、CD3枚組に40曲を収録した弾き語りアルバムで、内田直之が前作と同じくレコーディングエンジニアを務めている。今回リアルサウンドでは、豊田のライブを撮影し続け、映像作品にも起用してきたカンパニー松尾監督との対談が実現。新作にまつわる話に加え、二人の表現スタンス、松尾監督作品『テレクラキャノンボール 2013』などについても語り合った。

「豊田くんは真面目でありながら、いい加減にやろうとする」(松尾)

松尾:新作『SING A SONG 2』、一気に聴きましたね。一気聴き(笑)。入っているのは、ライブでよく聴いている曲ばかりですよ。ずっとライブに通いつづけているファンだったら「ようやく音源化か」と思うかも。前に『SING A SONG』を出したのは10年前だっけ?

豊田:2004年なんで、丸10年ですね。

松尾:当時は、いきなり自主制作盤で弾き語りをリリースしたからびっくりしたよ。“佳曲”がいっぱい入っていたし。「mtv」とも「FUCKIN’ GREAT VIEW」ともまた違う内容だから、今がリリースには良いタイミングだよね。

 僕が一番良いなと思ったのは、DISC3に入っている「おっさん&おばはんイリュージョン」の“新しいセックスがしたいだけ”っていう歌詞。僕は一枚のアルバムにつき一つの良いフレーズがあるかないかで全体像の良し悪しを考えるんだけど、今回は“新しいセックスがしたいだけ”がすべてだな、と。あと「SING A SONG 2」では「2011」がちゃんと音源化されていて嬉しかった。

豊田:「2011」は3.11のちょっと前につくった曲ですね。2月くらいに池袋のシネマロサで「映像集Ⅲ」を流したときに初披露して、直後に四谷のスナック「アーバン」でも演奏して。そのどっちにも松尾さんは来てくれましたね。

松尾:「映像集Ⅲ」って、池袋でやった60分バージョンで終わりだったんですよ。でも、3.11っていう大きな出来事があって。加持等くんも亡くなったし。4月にやったアーバンのやつは特に良かったね。「2011」を歌うのが、とにかく苦しそうで苦しそうで(笑)。

豊田:映像を観て自分でもびっくりしました(笑)。あんまりそういう意識はなかった。楽しく歌っているつもりが。ただ自分として、離婚とか色々あった何年かの自分を昇華させた歌のつもりだったけど、歌を作った直後に加地くんが亡くなったり、震災があったりして。。

松尾:息つまる感じがして。ほんとうに苦しそうに歌ったよね。豊田くんは最大公約数に向けてやってるわけじゃないし、型通りにピシッてやるのを嫌う、でも真面目で、真面目でありながらいい加減にやろうとする…そんなところも信頼できるところなんですよね。豊田くんはずっと“佳作”を作りつづけて、年に1、2回はきちんとアルバムを出してくれる。どこに力が入っているかわかんないようなのを(笑)。

豊田:いつも「これが一番ポップだ」と思ってやってるんだけど(笑)。これしかない、っていう気持ちでやってるつもりです。

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