日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 養成所ビジネスに刺客
織作亜樹良の「アニメ・クローズアップ!」

「養成所ビジネス」の打破なるか!? ホリエモンが仕掛ける、新たなアニメプロジェクトに注目!

 具体的には一口1万円くらい支払うと、高画質版の配信やクレジットに名前を入れてもらえたり、ほかにも試写会やイベントに招待という特典を考えているという。そして何より注目すべき点は、参加したい人向けの特典として声優オーディションの参加権を付けるというものだ。つまり、1回1万円でアニメのオーディションを受けることができ、仮にオーディションに落ちたとしても、ほかのひとと同じように、アニメの高画質版は手に入れることができる。これは、養成所に通うよりよっぽどリーズナブルだと、岡田は言う。クラウドファンディングの特質上、お金が集まらなければ企画は立ち上がらず持ち逃げされることはないし、儲かった場合も全額、次のアニメ制作の予算に回されるとのこと。つまり、誰かが一方的に儲けるということもなく、純粋にアニメ好きな人たちがアニメを作ったり、楽しんだりできるシステムなのだ。当然、企画者の堀江や岡田にも利益は出ないわけだが、この企画に携わる動機を同著で岡田は次のように語っている。

「堀江さんは、民間でもロケットができると証明したいと思っている。ぼくは、プロでなくても、中学生でも高校生でもアニメが作れるということを証明したいんです! ぼくがこのプロジェクトに参加する理由はこれだけです。アニメを作ることは、超天才の庵野秀明や宮崎駿にしかできないことだと思っているかもしれないけど、そうじゃない。ぼくらもできるし、君たちでもできるんだとわかってほしい」

 今までの枠組みでは、演者としていくら実力があっても運がよくなければ声優への道は閉ざされてしまっていた。しかし、こうやって参加する側がアニメの制作費を直接出すことで、アニメ出演のチャンスは格段に上がる。そして、アニメに出演することができれば、それは立派な経歴として次に生かすことができるであろう。このホリエモンたちのプロジェクトをきっかけに、こうした動きは広まっていけば、やがてはアニメ業界の既得権益を打破することもできるかもしれない。このアニメプロジェクトの今後の動きに要注目だ。
(文=織作亜樹良)

最終更新:2014/08/25 13:52
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真