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お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第123回

どぶろっく ヒット曲「もしかしてだけど」で“キングオブ営業芸人”にのし上がった3つの理由

 2つ目は、歌詞の内容が女性にも受け入れられた、ということ。どぶろっくがそれまでに作っていた歌ネタの中には、下ネタがややキツすぎるものがあった。すべての女性が下ネタを嫌うわけではない。ただ、あまりに露骨だったり品がなさすぎたりする下ネタは、受け入れられないことが多い。笑うことに後ろめたさを感じるような下ネタは、どうしても敬遠されてしまいがちだ。

 「もしかしてだけど」には下ネタの要素が含まれてはいるが、女性にも受け入れられやすい。それは、下ネタの出力調整が絶妙だからだ。直接的な単語を使っているわけではないし、性的な話を露骨に語っているわけでもない。現実にはあり得ないほど妄想を膨らませることで、男の性欲をコミカルかつマイルドに見せることに成功している。これなら、女性が笑いづらくなる心配はない。

 最後に、この曲がヒットしたのはメロディーがよかったから、というのももちろん外せない。メロディーのいい曲は何度でも聴きたくなるし、自分でも口ずさみたくなる。そして、歌詞の意味を理解できない子どもにもウケやすい。メロディーがいい曲がヒットするというのは、音楽の世界とまったく同じだ。

 男が共感し、女が笑い、子どもが口ずさむ。お笑い史上屈指のヒット曲を引っさげて、「キングオブ営業芸人」として日本中を飛び回るどぶろっく。男の性欲で濁りきったどぶろくは、いつのまにか万人に愛される透き通った純米酒に生まれ変わっていたのだ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)

最終更新:2014/08/25 14:58
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