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テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第68回

松木安太郎の“応援解説”が冴えわたる!『不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。』

matsuki0923.jpg『不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。』テレビ東京

「韓流スターと葉月里緒奈ってところかな」
「もうちょっとナチュラルメイクのほうがいいんじゃない? 皮膚呼吸できなそうだなぁ」
「二人は愛し合ってるねえ」

 A級プロダンサーを目指す男女ペアを見守りながらも、矢継ぎ早に発せられるサッカー解説者・松木安太郎のナレーション。そのVTRを見ながら、MCのサンドウィッチマン・富澤は思わず吐き捨てた。

「集中できないよ、VTRに!」

 それでも松木は止まらない。いよいよA級がかかった競技会に挑むペアの緊張感あふれる姿を「静かに見守りましょう」とナレーションを入れたわずか数秒後には、「よーし! ここ頑張りましょう!」と口を開く。

 これには伊達も「いや、『静かに見守りましょう』って言ったじゃねーか!」とツッコみ、富澤も「5秒もたたないうちにしゃべりだしたよ」とあきれていた。それだけではない。時には、ナレーションを忘れ、拍手までしてしまう始末だ。

 これは、『不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。』(テレビ東京系)という長いタイトルの番組の一幕。テレ東では『YOUは何しに日本へ?』の成功もあり、この手の素人インタビュー&密着番組が急増している。特に月曜23:58からは1カ月ごとに番組を変える、いわば“お試し”枠とあって、手間はかかるが予算はかからない『家、ついて行ってイイですか?』『新婚さんに「結婚を決めた一言」聞いてみた』『卒業文集の夢、叶いましたか?』などの名作が次々と誕生している。『家、ついて行ってイイですか?』などは、ゴールデンタイムで特番にもなった。

 『不躾ですが~』はそのタイトル通り、ある人たちの「ドキドキな発表の瞬間」に密着するという番組である。その“応援ナレーター”が、松木である。

 松木のサッカー解説といえば、熱くポジティブでテンションが高いことでおなじみだ。

「あっ! PKだろ! 倒してないか、今?」
「ハンドじゃないか? ハンドだよねえ? ハンドだよー!」
「ふざけたロスタイムだなぁ」
「シュート打て、打てっ!」

と、中立的解説とは無縁の暑苦しい応援解説。それが一部サッカーファンからは不評を買っていたが、一方で、その「分かりやすさ」は普段サッカーを見ない層がサッカーを見る機会となるワールドカップなどの場面では大いに注目された。今では、日本代表戦に松木の解説がないとなんだか寂しいと思ってしまうほどだ。

 そんな松木解説は、バラエティ番組にも飛び火。『ケータイ大喜利』(NHK総合)では「サッカー中継。『ちゃんと解説してください…』松木安太郎さん、何と言った?」などと大喜利のお題となり、視聴者から寄せられた回答を実際に読むという大役を果たしている。松木解説は、番組屈指の人気「声のお題」となっているのだ。

 そんな松木の“応援解説”に注目したのが、『不躾ですが~』だ。下着モデルのオーディションや76歳のボディビルダーの大会挑戦、9歳のピアニストのコンクール、足掛け26年、49歳で弁護士を目指す司法試験の合格発表など、ドキドキの発表の瞬間に挑む真剣な人たちを、松木が熱く、それでいてどこかふざけて応援する。そして、その挑戦VTRと松木の応援ナレーションの両方に対し、適度な距離感でツッコミを入れたり、素直に感想を言い合うのがMCのサンドウィッチマンだ。その三位一体の構造が絶妙だ。

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