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日本の歴史を大きく変えたアメージングトーク集!『日本人の誇りを呼び覚ます魂のスピーチ』

 日本の近代・現代史を語る上で重要なスピーチを選び出し、解説を加えた弓狩氏は、日本の有名企業を“社歌”の成立からその社風や企業理念を紐解いた『社歌』(文藝春秋)、世界各国の“国歌”の中に秘められた国民性や国の成り立ちを読み取った『国のうた』(文藝春秋)などユニークな視点で著書を発表してきた。世界の偉人・著名人たちの名言を集めた『The Words 世界123賢人が英語で贈るメッセージ』(朝日新聞出版)を2012年に上梓し、今回の『──魂のスピーチ』はそれと対をなす日本版の名言集とも言える。

「米国の大学を卒業し、海外で取材することが多いのですが、欧米の文化圏では自分の意見を持ち、発言することで一人前として認められます。英語は口語文化であり、文語中心の日本語文化とは大きく異なることをこれまでたびたび実感してきました。前作『The Words』は欧米人が中心になりましたが、日本にも素晴しいスピーチを残している人たちはいるに違いない、と探し出したのが今回の『──魂のスピーチ』です。また、名言だけを紹介するのではなく、可能な限りスピーチ全体を掲載するよう努めたので、スピーカーの想いや真意も読み取れるのではないでしょうか。村山談話は確かにまだ評価は定まっていませんが、あの談話がなければアジア外交はもっと混迷していたはず。日本人はこれまでアジア各国に経済援助したことで謝罪の意を表したつもりになっていますが、アジアの各国はきちんとした言葉での謝罪をずっと待っていたわけです。“日本が欧米相手に戦争したから、他のアジアの国々は独立できたんじゃないか”という押し付けがましいことに一切触れていない潔さが村山談話にはある。大人のスピーチですよ。問題になっている河野談話とは、スピーチとしても格が違うように思います」(弓狩氏)

 名スピーチと聞くと、舌先で操られた美句麗文を思い浮かべがちだが、本著で紹介されているスピーチの多くは、平易な言葉で、かつ発言者の生命そのものを懸けたもの、もしくはそれまで歩んできた人生の道程を言葉に凝縮した重みのあるものだ。日本の近代・現代史をスピーチの数々で振り返る入門書であり、人間が発する言葉の重みを改めて感じさせる一冊となっている。

●ゆがり・まさずみ
1959年兵庫県生まれ。米テンプル大学教養学部アメリカ研究学科卒業。国際情勢、経済、文化からスポーツに至るまで幅広い分野で取材・執筆活動を続けている。主な著書に『社歌』『国のうた』(文藝春秋)、『国際理解を深める世界の国歌・国旗大事典』(くもん出版)、『The Words 世界123賢人が英語で贈るメッセージ』(朝日新聞出版)などがある。

最終更新:2014/09/30 16:00
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