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吉澤嘉代子が語る、“妄想力”を爆発させる方法「自分が生きている世界とは別の世界がある」

「私の曲を聴いて別の世界を感じてドキドキしたりワクワクしてくれたら」

――そのようにいろいろな主人公の曲を書かれていますが、作者である吉澤さんはそれに対してどのような位置にいますか?

吉澤:いろいろな書き方がありますけど、自分自身として書いてしまうことも何曲かあります。でも最近は自分とは切り離したものとして書くことが多いですね。なので自分の曲に自分で共感してないこともあって。例えば「恋愛倶楽部」の「みんなのアドバイス「男はエクレア」」とか、男はエクレアだと思ってるわけではないですし(笑)。その主人公の年齢や性格によって信じていることは違うと思うので、この時期は友達の意見が絶対で思い込みの激しい時期だし、例えば「がらんどう」は少しずついろんなことに気づいていく時期だし、「シーラカンス通り」はもっと悟った、私よりもずっと大人、というように書いています。

――今のJ-POP界では歌詞は“共感”がひとつのキーワードでもあります。吉澤さんの曲はそれとは違うものを目指しているようにも感じますが、聴き手とのコミュニケーションについてはどう捉えていますか。

吉澤:私は子供の頃から小説を読んでいて、主人公に対して共感するというよりも、国籍も年齢も性別も性格も違う主人公になりきってドキドキしたりワクワクする感覚を強く持っていました。自分が生きている世界とは別の世界がある、という感覚は、逃げ道でもあるのかもしれませんけど、読みかけの本があるうちはそういう場所に守られている気がしていました。もちろん聴いてくれた方にはどんなふうに届いても嬉しいですし、曲と小説は違うものですけど、私の曲を聴いて別の世界を感じてドキドキしたりワクワクしてくれたらな、と思っています。

――どんな小説が、今歌詞を書く上で吉澤さんの糧になってきましたか?

吉澤:一番好きなのはいしいしんじさんの小説です。梨木香歩さんや姫野カオルコさんも好きでした。少し前の時代の人は星新一さんくらいしか読んだことがなくて、大学に入ってから純文学を読むようになりました。短歌も好きなので、そういうものは言葉を書く上で糧になっていると思います。本を読むことは子供の頃は音楽以上に大事なものでしたね。

――歌も含めた日本語による芸術には、短歌や俳句の歴史なども背景にありますから、追求すると奥が深いですね。

吉澤:もし小説を書こうしたら頭がパンクしたと思いますけれど、メロディに乗せることで自分のものになるようなところがあると思います。双方で補い合えるので、何の変哲もない言葉でもメロディで特別なものにできるんです。「歌詞を書いているとメロディが乗ってくる」と思えるときが一番相性のいいものができていて、今作で歌っていて気持ちいいのは「ちょっとちょうだい」ですね。タイトルから考えて、言葉を考えながらメロディが乗ってきたので、スッとできた曲です。メロディと言葉をバラバラに作っていたらこうはならなかった気がします。

――メジャーデビューから今作で2枚のミニアルバムをリリースしましたが、今後のプランはどのようなものでしょうか?

吉澤:ひとつのテーマに沿って作品を作る上でミニアルバムは一番理想的なので、今後も作っていきたいですね。例えば映画をテーマにしたものとか。でも今作は「恋愛倶楽部」のような可愛らしい曲や、「ちょっとちょうだい」のような畳み掛ける曲から、「がらんどう」のような王道のものまで、それぞれ曲調がバラバラなので、どうやってまとめようか、と思っていたんです。そこから曲の主人公たちが入っている秘密クラブのようなイメージが湧いて、「幻倶楽部」というアルバムタイトルをつけて、「そこに潜入する探偵」というテーマでアルバム全体の主人公を作りました。ジャケット写真はそのイメージです。前作の『変身少女』と並べると前回の私と今回の私でだいぶ違いますね。

――11月からは大阪の梅田シャングリラ、東京のTSUTAYA O-EAST、名古屋のTOKUZOと3ヶ所でのツアーがありますね。

吉澤:みんなが主人公になってくれるような気持ちで「妄想文化祭」というツアータイトルをつけました。3会場とも違う個性があるので、それを活かしたライブにできたら一番良いと思います。

(取材=神谷弘一/構成=高木智史)

■リリース情報
『幻倶楽部』
2014年10月22日 ¥1,667(税抜)
〈収録曲」
1.ケケケ
2.シーラカンス通り
3.うそつき
4.恋愛倶楽部
5.ちょっとちょうだい
6.がらんどう

■ツアー情報
「吉澤嘉代子ファーストツアー ~妄想文化祭~ 」
11月22日(土) 大阪・梅田シャングリラ OPEN17:00 / START18:00
11月27日(木) 東京・TSUTAYA O-EAST OPEN18:00 / START19:00
12月4日(木) 名古屋・TOKUZO  OPEN18:00 / START19:00

■オフィシャルWEB:http://yoshizawakayoko.com/

最終更新:2014/10/23 08:00
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