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「すいません、1位に勝っちゃいました(笑)」パンクラストップを撃破した渋谷莉孔“大金星”のワケ

shibushiai1.jpg古賀を攻め立てる渋谷。(c)TTF CHALLENGE

――打撃の威力が増したのでしょうか?

渋谷 パンチもキックも、アウトサイダーに出ていたころとは、完全に別人だと思います。自分ってけっこう寝技のイメージがあるでしょうけど、寝技はぶっちゃけ、地下格(闘技)対策で使っていただけ。地下格って試合数がやたらと多いじゃないですか。試合した翌週にまた試合したりとか。そんな中、ケガをしたくないから、サクッと勝つには寝技が一番なんですよ。そういう理由で、ずっと打撃は封印していたんですが、その打撃の技術がここ最近、さらにレベルアップしたのが自分でもわかります。

――なぜでしょう?

渋谷 今回の試合の約1カ月前から、大沢ケンジさんが代表を務める「和術彗舟會HEARTS」というジムに本格的に通うようになったんですが、そこでいろいろと考え方が変わったのが大きいですね。昨年末から別のところでムエタイも習っていたんですけど、それを総合格闘技で応用するコツなどを、わずか1カ月で体得した感じですね。

――大沢さんは指導者として何が優れていますか?

渋谷 教え方がとにかく上手いし、頭がいいですね。大沢さんはかつて、修斗やDREAM、アメリカのWECなどで活躍した選手で、日本の格闘界の知将と呼ばれているんですが、実際、作戦を立てるのが上手い。自分も地下格時代からわりと作戦を立てて戦うタイプだったんで、そのへんも大いに参考になります。あとは人柄もいいんで、UFCの選手とかも、たくさん教わりにくるんですよ。そういう一流選手と技術交換もできるんで、非常に恵まれた環境ではありますね。

shibushiai2.jpg延長戦の末、3-0の判定で渋谷が勝利。(c)TTF CHALLENGE

――ところで昨年6月のアウトサイダーに出て以来、しばらく表舞台から遠ざかっていたようですが、この間、何をしていたのでしょう?

渋谷 ホント、なんもしてないっすよ。遊んでいました。友達のジムにたまに通ったり、いろんな地下格に出たりはしていましたが、いずれも趣味みたいなもんですね。地下格に関していえば、応援してくれるみんなを喜ばせたいから出ていただけ。ついでにいうとアウトサイダーも自分にとっては遊びだったんで、あのころもトレーニングはほとんどしていなかった。今回生まれて初めて必死で1カ月間練習してみて、その成果がいきなり出たからうれしいですね。

――今後の展望は?

渋谷 1位を倒しちゃいましたが、パンクラスに出ようかな、って気持ちはあります。パンクラス側も、自分のことを欲しいんじゃないですかね。実は以前にも、パンクラスに出るチャンスはあったんですけど、そのときは邪魔が入って話が流れました。ある格闘界の実力者に「選手生命長くないから挑戦したい」と相談したら、「じゃあ引退するか、死んじまえ」みたいなことを言われて、話を潰されちゃったんですよ。その人には「お前なんかがパンクラスで勝てるわけない」とも言われたんですけど、すいません、1位に勝っちゃいました(笑)。

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