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根なし草ライター・安宿緑の「平壌でムーンウォーク」

酒の席でも気は抜けない!? 北朝鮮政府高官がふいに仕掛ける「抜き打ちテスト」とは

nkimage.jpg平壌・高麗ホテル(Photo By David Stanley from Flickr.)

 こんにちは。拉致被害者再調査のため日本政府代表団が訪朝し、ストックホルム合意の履行に向けて話し合いを開始しました。拉致問題を含めた日朝間の問題に、ようやく進展の兆しが見えてきたようです。

 そんな中で私は、数年前の訪朝時の「とある出来事」を思い出しました。

 とにかく訪朝すると毎晩酒盛りが基本なので、下戸にはキツいです。その日も我々取材団は外国人案内 部門の幹部たちとホテルのバーで飲んだ後、さらにロビーで適当に酒を持ち寄って飲み直しをしていました。正直、「まだ飲むのかよ……」というところでしたが、めったにない機会なので仕方ありません。そして宴もたけなわとなった頃、奥のほうに座っていた高官に「ちょっと来い」と呼ばれました。
 
 その方は某部門の責任者だったのですが、彼は突如、こう問いかけてきました。

「我が国と日本が関係を改善するためには、どうすればよいと思うかね?」

 急に飲み会にそぐわない高度な質問に一瞬たじろぎましたが、答えは明白。私は自信たっぷりにドヤ顔で答えました。

私「やはり、拉致問題を解決させることであると思います」
高官「それはどんな方法だというのかね?」

 どんなって言われても……というのが正直なところ。

 とかく彼は「君の考えるロードマップを話せ。履行に支障があるとするなら、その解決策は何か」と言っていたのですが、彼が北の中でも最北出身なのか、日本でいう津軽弁のようななまりを全開にしてくるため、何を言っているのかまったくわかりませんでした。ところどころ聞き取れる単語を必死に拾いながら答えましたが、私の地頭レベルの低さも相まって、まともな問答になりませんでした。

私「国交正常化をすれば、何事もスムースにいくと思います」
高官「それは知ってるんだよ。だから、そのための道筋を話してくれたまえ 」

 すると、幹部はしびれを切らしたのか、我々の中からもう一人、女子を呼びました。幹部は私同様に無慈悲な問いかけを浴びせましたが、20代半ばという年齢の割に「やり手」な彼女、北朝鮮高官の尋問を右から左へと受け流し、ひたすら「そんなことより飲みましょう」「ウェーイ」というノリで押し切ったため高官はそれ以上追及できず、むしろニヤついていました。いやあ、若いって本当にパワーですよね。まさしく西城秀樹の「YMCA」です。若い彼女のひょんな助け舟により、私のようなババアは「もういい、行け」とリリースしていただいたのでした。

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