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中国でも『永遠の0』は感動作になっている──『中国のもっとヤバい正体』孫向文を直撃

 もう一つの変化が、中国批判本を通じて深まった日本人との人脈だ。今回の著書の中で孫氏は、政治的な集会に出かけた際のエピソードを描いている。そこで孫氏は、中国の後進性を嘲笑するような発言者には違和感を覚えながらも、同時に正当な批判には共感を記している。そうした人々とTwitterで交流する機会も増え、フォロワー数は増える一方だ。けれども、不満はあるという。

「フォロワー数が増え、発言がリツイートされることも多くなったんですが、だからといって本が突然売れるわけではないですから……」

 さて、日本滞在中の孫氏が漫画を描く傍ら熱中しているのが、プラモデル製作。それも、零戦が一番好きなのだという。取材後、共にプラモデルを扱う店舗をめぐったのだが、孫氏の零戦に対する愛は本物だ。かといって、孫氏が中国人にとっての売国奴的な志向を持っているのではない。

 中国でも、大戦中の日本軍兵器のプラモデルは人気のある商品だという。そして、公式には公開されていない映画『永遠の0』も、人気作になっているというのだ。

「あの作品で主人公は“必ず帰ってくる”と約束するでしょう。あのような約束をするという考え方は、中国人にはないものです。だから、そこに多くの人が感動しているんです」

 この後も、店舗をめぐりながらのプラモデル談義は1時間あまりにも及んだ。その中で、タミヤをはじめとする日本製プラモデルをリスペクトし続ける孫氏。日本の文化を愛してやまない彼が、自身が本当に描きたい作品を世に出す日は近いだろう。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2014/11/09 15:00
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