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『ゆるキャラのすすめ。』インタビュー

「空気を敏感に察知しながらボーッとしていた」元・大リーガー石井一久“ゆるい生き方”の極意

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――それも分かるんですが、石井さんが野球嫌いだったのにプロ野球選手になることができたのは、やっぱり才能があったからじゃないか、と思われることが多いと思います。そんな石井さんにとって、「才能」とはどういうものだと思っていますか?

石井 今の話と矛盾しちゃうかもしれないですけど、努力すれば必ず達成できるっていうわけではないと思うんですよ、野球に限っては。野球って、やっぱりある程度選ばれた人がやるものですから。

よく小さい子どもが「プロ野球選手になりたい」って言うじゃないですか。僕は「無理かもしんないよ」とは言うんですよ。プロ野球選手になれる人は少ないから、努力したからって必ずなれるわけじゃないんだよ、って。

でもやっぱり、努力をすることは大事。中学、高校ぐらいまで努力して、それが実らないとなったら、そこで初めてあきらめればいい。僕自身、中学まで野球はずっと補欠でしたから。高校で急激にうまくなったんですけど、その間も、ずっと努力することだけは忘れてませんでした。そこで開花した自分の経験談から言うと、高校ぐらいまではちゃんと努力した方がいい。それでダメだったとしても、そこまでの努力は必ず、別のステージに向かうときに役立ちますから。そこからまた違う夢を見つければいいんですよ。

――野球の世界では、上下関係が厳しいというイメージがあります。そういうところで石井さんのような自由奔放なキャラクターだと、上の人に目を付けられていじめられたり、しごかれたり、怒られたりすることはなかったんでしょうか?

石井 一切ないですね。昔はみんな先輩にボコボコに殴られてたとか、グラウンド何十周させられたとか、武勇伝のように語る人がいますけど、そんなのがあって楽しかったのかな、って思っちゃいますね。僕はあんまりないです。高校1年のときにも、3年生に親しい先輩がいて、いつもそこにくっついて帰っていたので大丈夫でした。

プロに入ってからも、何をやっても「まあ、石井だったらしょうがねえな」って思われることが多かったんです。あいつボーッとしてんな、って。まあ、実際ボーッとはしてるんですけど(笑)。でも、一応周りの空気は敏感に察知してるつもりなんですよ。その上でボーッとしてるから、あいつに何言っても仕方ないな、と思われたら勝ちなんです。だからこそ、やるべきときには絶対やらないといけないっていう気持ちはありますよ。そこを逃したら、本当にただのボーッとしてる人になっちゃうので。

――この本は、どういうふうに読んでもらいたいですか?

石井 僕もまだ41歳ですけど、世の中にはいろいろな生き方があるから、こういう生き方もチョイスの1つとして持っていただけたらいいなあと。ゆるくても人生うまく転ぶこともあるんだ、だからあんまり肩ひじ張らずに行ってもいいのかな、って思ってくれる人がいればいいかなと思いますね。
(取材・文=ラリー遠田/撮影=名鹿祥史)

最終更新:2014/11/17 18:00
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