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星野源、サカナクション、READ ALOUD…今だからこそ“ジャケ買い”したいアーティストは?

 音楽配信やストリーミングサービスの台頭により、CDジャケットを見ることが減ったリスナーも多いかもしれない。しかし、ジャケット写真をはじめとしたCDのアートワークには、アーティストの思いが込められていて、芸術的にもすばらしい作品がたくさんある。今回当サイトでは、そのジャケット写真が秀逸なアーティストをピックアップし、今だからこそ“ジャケ買い”したいアーティストを紹介したい。

【リアルサウンドより】

 音楽ライターの森朋之氏は“ジャケ買い”の文化や面白みについてこのように解説する。

「“ジャケ買い”とは、CD、レコードなどのジャケットを気に入り、内容を知らないまま購入すること。基本的にはショップに足を運び、CDやレコードをチェックしているときに“お、このジャケット、カッコいい”“かわいい”“おしゃれ”“笑える”“くだらなくて最高”みたいなことで興味を持ち、よく知らないアーティストにも関わらず買ってみるという行為かと。ジャケットのアートワークには、そのアルバムのサウンドのイメージ、コンセプト、アーティストの意図やメッセージが込められているはずなので、ユーザーとしてはジャケットを見ることで、音楽性を想像する楽しさもある。

 実際に聴いて“想像とぜんぜん違った”とか“まったく好みではなかった”ということもあるが、それもまたジャケ買いの楽しさ。逆にジャケ買いしたアルバムが良いと“おお、自分のセンスはまちがってなかった”とひとりで優越感に浸れたりして(?)、それも楽しい。もともとデザインが気に入って購入しているわけで、部屋に置いておいてインテリアみたいに使うのもアリかと。個人的に好きなのは、パロディジャケット。たとえば超有名な『ロンドン・コーリング』(ザ・クラッシュ)のジャケットが、実はアルバム『エルヴィス・プレスリー』(‘56年)のデザインとほぼ同じ。そういう発見もCD/レコードの楽しさのひとつですね」

 実際に、森氏はジャケ買いで、すばらしいアーティストに出会ったという。

「ジャケ買いして当たりだったCDは、the happy losersというスペインのバンドの『apple taste』、UKのギターバンドfarrahの『Moustache』。いわゆるギターポップ系のバンドは、かわいいジャケが多いです」

 洋楽だけではなく、現在の日本の音楽シーンで活躍しているアーティストのなかにもジャケ買いして楽しめるアーティストも多い。そこで、タワーレコード渋谷店 J-POP担当の宇野文美さんにオススメのジャケ買いアーティストを聞いてみた。宇野さん自身も、坂本龍一とクリスチャン・フェネスによるユニット・fennesz+sakamotoの作品『cendre』の美しい風景の写真に惹かれてジャケ買いしたという。

星野源 『ギャグ』

 2013年5月発売のシングル。ご自身が声で出演されたアニメ映画『聖☆おにいさん』の主題歌で、楽曲自体がとてもワクワクするようなキャッチーでポップな楽曲です。まずは、その楽しさが一目で伝わってくる黄色のカラー、そして星野源さんを思わせる人物の顔の目・鼻・口の代わりに“G・A・G”! ユーモアや飛び出してくるような楽しさを、この絵が上手く表現していて、誰にも伝わる一枚だと思います。

READ ALOUD 『アカンサス』

 淡く美しいブルーの中に、よく見たらピストルが。一見、綺麗な絵かと思いきや、実はそれだけでない。nao morigoさんのアートワークが、様々なイマジネーションを駆り立てます。まず、水墨画のアートワークがとても美しい。インパクトのあるジャケットというのは目立つ反面、聴く人を限定する、という側面もあると思います。『アカンサス』のジャケットはそういうところがなく、“なんだろう?”と思って手に取ってみたくなる、間口の広さがあり、さらによく見てみるとピストルという相反する強いモチーフ。ロックを感じることもでき、しかし聴く人を限定しない、多くの人に伝わる、というところにREAD ALOUDらしさも感じました。この『アカンサス』のような、様々な想像を駆り立ててくれるジャケットは、個人的にとても好きです。クワタユウキ × nao morigo(画家) 「アカンサス」スペシャル・インタビュー

サカナクション 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』

 バッハといえば、“音楽の父”であり、ドイツを代表するクラシック作曲家。そして、ドイツはテクノミュージックが盛んな街。表題曲のタイトルのドイツ語表記や、ニューウェーブを想起させるような写真が、曲を表しているようです。

岡村靖幸『彼氏になって優しくなって』

 岡村靖幸さんご自身で自分自身を撮った“セルフィーショット”写真。いわゆる“自撮り”なのですが、とてもインパクトがあり目を引きます。岡村ちゃんならでは、ですね。

ペトロールズ 『SIDE BY SIDE』

 長岡亮介、三浦淳悟、河村俊秀からなる3ピースバンド・ペトロールズのシングル。“SIDE BY SIDE=併走”というタイトルが良く分かる絵が、分かりやすく可愛いです。鮮やかなブルーも、バンドサウンドを表しているよう。

 宇野さんは最後に、「今はネットや配信などで簡単に音楽が手に入る時代で、それは素晴らしいことだと思います。ただ、ジャケットなどのアートワークを含めたパッケージ、作品を手元に置いておくのも、また一つの音楽の楽しみ方です。データだけでは味わえない、愛着や新たな発見もたくさんCDにありますので、気になったアーティストや作品があれば、ぜひ手にしてみて下さい」と、音楽ファンへのメッセージも語ってくれた。作品世界を音楽とともに深く表現したアートワークもチェックして、すばらしいアーティストと出会ってみてはいかがだろうか。

(文=高木智史)


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