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『ハイハイからバイバイまで』出版記念インタビュー

テッパンのあのネタに隠された愛情物語――COWCOW善しと、ちょっとヘンなおばあ

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――インドネシアでのブレークも、まさにそうですね。ユニバーサルな面白さ。

善し よく分からないことを自信ありげにやるというのは、僕の中ではあまりない。やっぱり、分かりやすく皆さんに伝えたいと思っています。あたりまえ体操のブレークも、皆さんに知ってもらえたのが、たまたまあれやったんだという感じなんです。これがもっと僕も若くてあのネタでブレークしていたらしんどいでしょうけど、自分らの中では「これで、そんなになんの?」というのが正直なところです。

――世間って、分からないものですね(笑)。

善し それやったら、もっと早くやっとけばよかった(笑)。なので、あたりまえ体操が売れても廃れても、特にどうとは思いません。「あぁ、そこに引っかかってくれたんか」って。出版物もそうですよね。自分の本が店に並んだら本当に感動しますし、おばあの話が本屋に置いてんのやって客観的な目で見たりもするんですけど、でも大ベストセラーになってくれとは、あまり思わないかもしれない。ワニブックスさんの前では言えないですけど(笑)。だけど印刷した分は、きっちり誰かの手に届いてほしい。一生かかっても売り歩こうかなと思ってます。だって、もうこの表紙とか、いい紙使いすぎてへんですか?  

――そんな謙虚な……ぜひ第二弾もお願いします。

善し いやいや、それはいいです。でも、本当に刷った分はなんとかせんと。本にも書いた芸人になるきっかけもそうですけど、この本も、本当に人生はどこでどういうふうになるか分かりませんね。

――これから何かチャレンジしてみたいことはありますか?

善し 本も出さしてもらったのに、まだですか!?

――そう言わず、何か……。

善し う~ん(しばし無言)……いつか、自分の劇場を持ちたいという夢はずっとあります。本多劇場みたいな。

――演劇もいいですね。善しさんが脚本を書いて。

善し いやいやいや、そういうやましい気持ちはないですよ。ただ大きな劇場を作って、満たされたい。お菓子の家を作りたいっていうのと、大して変わらないのかも。お菓子の家は「食べたい」から作るんじゃないでしょ。ただ劇場、自分の劇場を持ちたいという。

――おばあの家で作っていたプラモデルと同じじゃないですか!!
(文=西澤千央)

最終更新:2017/01/26 11:32
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