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「あなたの情熱の分だけ報酬を払います!?」ブラックすぎる韓国“情熱PAY”が物議

 もともとこの“情熱PAY”は、企業が安い人件費で就業を控えた学生やアルバイト等をこき使う、韓国社会の悪習を揶揄して作られた言葉だった。韓国では正規職への就業をエサに、安い賃金で学生や就業希望生を集める企業が少なくない。例えば、韓国企画財政部が発表した統計によると、14年の上半期に公共機関への正規職採用を前提にしていたインターン8000人のうち、23%に当たる1,815人しか本採用が決まっていないそうだ。民間企業はまだましなようだが、50%を上回ることはまずないといわれている。もちろん、その間、企業側は、駄賃同然の給料で労働力を調達しているということになる。そんな社会の状況への不満が、今回の“情熱PAY”事件であらためてフォーカスされたというわけだ。

 労働力をダンピングするというのは、単純な搾取という一面もあるだろう。一方で、そうしないと経営を維持できなという産業競争力の低さも表している。正社員を養い育てる余裕がないのだ。今年以降、韓国国民の生活がどうなっていくのか。少なくとも現段階では、法制度、現場の声ともに希望に満ちたニュースはなさそうである。
(取材・文=河鐘基)

最終更新:2015/08/27 12:18
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