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東電、リクルート、4大証券会社が頼った“情報屋” 日本経済界の裏側で暗躍した「兜町の石原」とは

「石原さんは不祥事が発覚した際、マスコミに公表する、責任の所在をはっきりさせるなどの結論を先延ばしにすることを何よりも嫌いました。アドバイスは『とにかく早め、早めに先手を打て』でした。でも、うち(東電)は図体が大きいぶん、どうしても決断が遅れてしまう。すると呼び出されて、『君らは日本を背負っているんだろ。ダメじゃないか。早く結論を出せ』と迫られたものです」(元東電社員/本文より)

 しかし、2000年以降、徐々に総会屋や暴力団などの裏社会が企業から締め出されていくことによって、石原の仕事も徐々にかげりを見せていく。それまで社会の中で必要悪とされていた裏社会は徹底的に排除され、石原自身も暴力団との関係を絶たざるを得なくなった。時代の波が「兜町の石原」の席を奪っていったのだ。そして、インターネットの台頭によって、情報の持つ価値も大暴落していく……。13年4月、石原は71歳で息を引き取った。

 40年にわたって情報屋として暗躍した石原の人生を振り返ると、バブルをピークにこの世の春を謳歌し、衰退していった日本経済界の裏面が見えてくる。コンプライアンスが重視され、クリーンになった経済界に、もはや石原のような裏と表とをつなぐ交差点は必要とされないだろう。石原の死は、一時代の終焉を意味するかのようだ。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])

最終更新:2015/01/26 18:00
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